ワタシノセカイ

わたしは、わたしの視点で世界を見ている

つまりあの人はあの人の視点で世界を見ている

あちらの人もあちらの人の視点から世界を見ている

あの人もあの人もあの人もあの人もあの人も

みんなみんな自分の視点から世界を見ている

それに気付いたのは小学生の頃だった


わたしは、わたしの思考で世界を見ている

つまりあの人もそちらの人もみんなみんなが自分の思考を持っている

視点と思考が違うのだから得る情報も見たい物も全然違う

同じ土地で同じ学校の同じ教室にいても共通点なんて全然ない

だからわたしからの好意が同じように返って来るはずももちろん無い

そのように考えたのは中学生の頃だった


わたしは、わたしの好みで世界を見ている

つまりあの人も向こうの人もみんなみんな自分の好みで見たい世界を見ている

視点と思考と好みが違うということは共通の意識なんて少ないのかもしれない

だからわたしと他の人がすれ違うのも当然の事なのだろう

わたしは本当のあなたを知らないしあなたもきっとわたしを知らない

あなたはどう思っているか分からないけどわたしは本当にあなたを大切に思っている

そう感じたのは高校生の頃だった


わたしは、わたしのこだわりで世界を見ている

つまりあの人もあの人なりのこだわりを持っている

誰だって執着や愛憎や熱情や嫉妬や妄想や期待を抱いて生きている

だから自分の常識で人を測ってはいけない

誰だって自分だけの揺るがない思いや揺らぐ思いを持っている

わたしは自分で立てた旗を目指してゆっくり進んでいくしかない

そうするしかないと決意したのは大人と呼ばれる頃だった


わたしは、わたしの世界を持っている

つまり知らない人も知っているだけの人もどんな人も自分の世界を持っている

すれ違うだけの誰もが自分だけの世界を持っている

世界には世界が溢れている

世界と世界は合体したり消滅したり変化していっている

いつかわたしの世界も変わってしまって今は知らない形になるのかもしれない

どこかの誰かの世界と関わりわたしの世界も新しい世界になるのかもしれない

なにもかもを失った果てにわたしの世界も消え去る時が来るのかもしれない

ただ、今はわたしの世界はわたしだけの世界

何があってもわたしはわたしの世界で生きていくしかない

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