ねっとしょっぴんぐ 〜ゆきちゃんとゆるせねぇ〜



「……」



「あれ? ゆきちゃん元気ない? どうしたの?」



「その、今日好きなアニメのグッズが発売される日だったんですけど、お店に行ったら売り切れてて……。別にそれくらいのことなので全然心配しないでください」



「あー、それならネットでみてみようか? もしかしたらあるかもしれないよ」



「それってガンジスですか?」



「ガンジス? それ川違いだよ」



「信濃川でしたっけ?」



「そもそも外国の企業なんだけど……。まぁ、とりあえずパソコンでみてみよう。なんて商ひ——ん?」



「どうしたんですか? って、え?」



「注文履歴が、おかしい……」



「なんで女性ものの衣服やかばん、化粧品なんか注文してるんですか……?」



「いや、え……?」



「……侑希さん、もしかして、浮気ですか……?」



「違う違う!! ほんとに身に覚えがないんだけど! 何これ!? 僕のアカウントだよね……」



「どういうことですか? 説明してください」



「いやいやいやいや! ほんっとに知らない! なんでこんなの頼んで——んあ?」



「? どうしたんですか?」



「このバッグどこかで見たことあるなと思って……」



「そういえば、このお洋服もどこかで……」



「ん? これも見たことあるな。どこで見たっけ? ——あ!」



「わかったんですか?」



夢葵ゆめきだ! 夢葵が着てた服じゃない!?」



「あ! ほんとですね」



「つまり僕のアカウントで注文してたってこと? え? それって犯罪じゃない? 知らんけど」



「そういうことですか……。侑希さん、疑ってごめんなさい」



「全然、これはしょうがないよ。あの野郎……!」



「侑希さん、夢葵ちゃんにはあんまり強く怒らないであげてください……」



「いや、これはダメでしょ。ん? メッセージ来た。夢葵だ」



「なんて来たんですか?」



「『そういえば、前侑希のアカウントで服とか頼んでたなり。ごめんねー、いうの忘れてた。てへ。今度お金返すし、なんか奢るから許してちょ。かわいい妹より』だって……」



「ふふっ、許してあげてください」



「はぁ……。まぁ、ゆきちゃんがいうなら」


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