と思ったらこの子がやってきた



侑希「あれ? 玄関の鍵開いてる。やば。閉め忘れた……? それかゆきちゃんがもう来てるかだけど……」



〈ガチャ〉



侑希「ただいま。ゆきちゃん? いる?」



? 「おかえりー」



侑希「え?」



? 「侑希。ひさしぶりー」



侑希「なんでお前がいるんだよ。玄関どうやって入った?」



? 「じゃーん。鍵でーす」



侑希「なんでそんなの持ってんの」



? 「へへ。念の為だよ。何かあったすぐ来れるように」



侑希「何かあったらって僕に?」



? 「あたしに、に決まってるでしょ。逃げる場所だよ」



侑希「はぁ、お前なぁ……」



〈ガチャ〉



ゆき「侑希さん。おじゃまし……。へ?」



侑希「あ」



? 「ん?」



ゆき「えと……。侑希さん、どなたでしょうか」



侑希「あっと、こいつは……」



? 「侑希の彼氏でーす」



ゆき「へ?」



侑希「違うよ。何言ってるんだよ」



? 「うるさいな。冗談じゃんか。びっくりしたでしょ? 妹の夢葵ゆめきでーす。確か、ゆきさんだよね」



ゆき「そうですけど……。どうして知ってるんですか?」



夢葵ゆめき弓槻ゆづきちゃんから聞いてるんだよねー。侑希に彼女ができたって」



ゆき「え、えっと……、夢葵さん、でいいですか?」



夢葵「ん? あたしの方が年下だよ。侑希の一つ下。だから、タメで全然いいから。あ。ねぇねぇ、ゆきさん」



ゆき「はい……?」



夢葵「タメでいいって。まぁ、いいや。ねね、侑希のどこがいいの?」



ゆき「へ?」



夢葵「付き合ってるんでしょ? だから、侑希のどこがいいのかって訊いてるんだけど」



侑希「おい夢葵いい加減にしろって。ゆきちゃん困ってるでしょ」



夢葵「侑希もよかったね。こんな綺麗な彼女さんできて」



侑希「はぁ……」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る