バレンタインの準備



弓槻「げ」



ゆき「どうしたんですか?」



弓槻「チョコがない」



ゆき「あ」



弓槻「買いに行くの遠いんだよな。どうする?」



ゆき「カカオから作るとか……」



弓槻「チョコがないのにカカオなんかあるわけないだろ。困ったな」



ゆき「あ! リボンってないですか?」



弓槻「リボン? あー、リボンならどこかにあったような気がするけど」



ゆき「それで弓槻さんをぐるぐる巻きにしましょう。ほら、それで、『食べて』って言うんです」



弓槻「あほか。彼祭さんをぐるぐる巻きにしてやってもいいんだぞ」



ゆき「困りましたね……。あ。でも確かバレンタインデーってチョコじゃなくてもいいんですよね?」



弓槻「まぁ、クッキーとかケーキとかを渡す人もいるだろうけど」



ゆき「弓槻さん何か作れるお菓子ってありますか?」



弓槻「いや、なんもできねぇ」



ゆき「私もです。あ!」



弓槻「なんか思いついたか?」



ゆき「生クリームってありますか?」



弓槻「生クリームなら、結構前に使ったあまりがあったと思うぞ」



ゆき「じゃあ、それ使いましょう。それで弓槻さんを生クリームまみれにするんです」



弓槻「さっきと一緒じゃねぇか。次同じようなこと言ったら、彼祭さんをリボンでぐるぐる巻きにして生クリームまみれにしてやるからな」



ゆき「えへへ。冗談です。お仏壇にお供物のお饅頭がありましたよね」



弓槻「『お』がちょっと気になるけど、あったぞ。なんかに使うのか?」



ゆき「生クリームの他に何かデコレーションに使えそうなものないですか?」



弓槻「ああ。なるほど。確かにそれならいけそうだな」


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