バレンタイン
弓槻「おい。侑希、雪斗。できたぞ」
侑希「できたって何が?」
弓槻「何って今日何日だと思ってるんだよ」
侑希「二月十四日でしょ。それが?」
弓槻「バレンタインデーだろうが。ほら、これ彼祭さんと一緒に作ったんだ」
侑希「え!? これ姉さんとゆきちゃんで作ったの?」
ゆき「えへへ。かわいいですよね。雪斗も食べてね」
雪斗「うん……」
侑希「なんだろうこれ? 生クリームとかでデコレーションされてるけど……」
弓槻「食ってみろって」
侑希「いただきます」
雪斗「俺もいただきます」
ゆき「あ、玉露淹れたので置いておきますね」
侑希「玉露? まぁ、いいや。あむ。……、……。ん! これ饅頭じゃん! すご」
雪斗「ほんとだ。だから、玉露ですね。……おいしいです」
侑希「おいしいよ! 姉さん、ゆきちゃん」
弓槻「はは。よかったよ。な、彼祭さん」
ゆき「ほんほにほはっはへふ。へいほうへふへ」
弓槻「何言ってるか全くわからん。飲み込んでからしゃべってくれ」
? 「……あの、私の分はありますか?」
弓槻「あ? 誰だよてめぇ」
? 「鬼です」
ゆき「ん? どこかで見たような気がしますね……。あむ」
侑希「あ! この前僕の血を奪いに来たやつ」
鬼 「その節はどうも……。楽しそうだったのでつい……」
侑希「どうする? 姉さん、ゆきちゃん」
弓槻「もう豆がねぇから追っ払えねぇしな」
ゆき「ほうへふへ。はんはりふりはりはほうほうははへへふへ」
弓槻「何言ってるかわからんけど。そうだな。彼祭さんの言う通りだな。ほら、一個やるから、帰ってくれ」
鬼 「わーい。人間のお姉ちゃんありがとう。またね」
侑希「なんか態度変わったね」
弓槻「何がまたね、だ。懐っこい態度とってももうやらねぇからな。塩でもまいておくか」
ゆき「鬼って怖いですね……」
雪斗「あの……、ねぇちゃん、侑希さん、弓槻さん」
弓槻「ん?」
雪斗「みなさんは今、一体誰としゃべってたんですか……?」
「「え?」」
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