ゆきちゃんと帰省編 その十五
「私、雪斗と結婚します!」
「えぇ……」
「あんなこと言われて落ちない女の子はいません!」
「あはは……」
「って、冗談はここまでにして。雪斗は私に気を遣ってくれたんでしょうか?」
「どういうこと?」
「ほら、ずっと私がさみしいさみしい言ってたから、雪斗の方から来てくれたのかなって」
「あー。別にそういうことじゃないと思うよ」
「そうですか?」
「本当は甘えたかったんじゃないかな」
「雪斗が私に、ですか?」
「うん。本当は前みたいに甘えたいけど、中学生にもなって姉とくっついてるわけにはいかないでしょ」
「そうでしょうか? それで甘えてくれなくなったって私が嘆いてたから、悲しませないようにって気を遣ってくれたのかと思ったんですけど」
「確かに、もしかしたら、冷たくしすぎたことで心が痛かったのもあるかもしれないね。でも、いつかは姉離れしないといけないから」
「雪斗なりに私のことを考えてくれてたんですね」
「そうだね」
「あ!」
「どうしたの?」
「雪斗からメッセージが来ました」
「なんて?」
「『気をつけて帰って』って」
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