「ん？　ゆきちゃん手ケガしてない？」

「あー、これですか。はい。昨日ちょっと」

「どうしたの？」

「コウモリに噛まれちゃって……」

「コウモリ？」

「はい」

「コウモリってあの、翼が生えてる蝙蝠（こうもり）のこと？」

「はい。そのコウモリです」

「なんで？」

「道にいたのでかわいいなと思って触ろうとしたら、ガブッと」

「なんかちょっと前にそんなヒーローがいた気がするけど」

「ありました。私好きでしたよ。ドロドロの三角関係が最高でした」

「あれそんな話だったんだ。っていうか、普通コウモリになんて近づかないでしょ。近くで見るとかなり気持ち悪いよ」

「そうやって人を見た目で判断するのはダメですよ」

「コウモリって言ったよね。僕」

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい