第9話 人との繋がり1

 スマホを覗くと画面が黒くなっていて自分の顔を映し出していた。目に生気がなく、まぶたは殴られたボクサーのように腫れている。肌の色も青白く肌もガサガサ。自分の顔があまりにもひどいのに苦笑いをした。

 充電器をつなぎ電源を入れると、こんなに人と繋がってるんだと思うほど画面いっぱいにLINEのメッセージが並んでいた。

一番直近は有紀からのLINE

夕方17時10分

「どうしたの学校休んで。連絡ないし、一度も学校休んだことないじゃん。」

夜20時30分

「ねぇ,なんかあったの。気がついたら連絡して。」

夜中12時2分

「本当に大丈夫、既読だけでもして。」

朝5時1分

「大丈夫、生きてる。」

「今日は学校休むけど,明日は絶対学校行くから。心配かけてゴメン。」

朝5時2分

「よかったぁ.生きてて,ホント心配してたんだから。もし連絡なかったら警察行こうと思ってた。」

5時4分

「ちょっと色々ありすぎて連絡ができなかったんだ。ホントにゴメン。」

5時5分

「ずっと,スマホ持って寝てたんだからね。」

5時7分

「感謝!今度絶対おごる。」

5時8分

「心配しといてよかった。元気で何より。それじゃまた明日学校で。」

5時8分

「また明日ね。心配してくれてありがとう。」

目頭が熱くなり今まで流した涙とは全然違う涙がこぼれてきた。そして自分の体に血が巡ってくのを実感した。


家のドアが開いて妹が帰って来る音がした。「もう少し早く帰ってきたほうがいいよ。」と小さな声で妹に向かって言った。

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