第9話牧野II

これが俗に言う蛇に睨まれた蛙ってヤツか·····

穴があったら入りたいくらいだ。

「·····何をしたんですか?」

「·····暴力·····暴力を降るってそこに居るミドリさんを大怪我させたじゃないですか?」

「俺がそんな事を?」

「まさか·····覚えてないんですか?」

「ふざけるな!俺はそんな事しないぞ!」

「覚えてないなんて言わせませんよ?」

牧野は俺の肩をギュッと握ってきた。

痛い。

「とぼけてるなら·····取り調べ室行きですよ?」

「正直に白状しないと·····取り調べ室に直行しますよ?」

コイツの言葉には棘がある。

「·····本当にそんな事した覚えがないんですよ。」

「·····そうですか·····」

俺の肩を握る手はまだ離れない。

もしかしてここの世界の俺はあん時の谷川みたいになってるのか·····

ああ·····早く元の時代に帰りたいぜ。

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