第二章

第6話怒りII

谷川の俺を抑えていた手が離れた。

だが·····ミドリの手は離れない。

「おい、てめぇぶち殺すぞこの野郎。」

「くくくくくくく、お前たちこの僕に勝てるとでも?」

「ミドリ·····」

「翔大君、手を出したら駄目·····」

「離してくれないか?これは一刻を争う喧嘩だ」

「駄目·····離さない」

ミドリの手の力が更に増す。

「タイマンですか?」

俺たちはみんな揃って振り返った

「良いですねぇ·····昔を思い出しますよ。なははは·····」

そこには初老の男性がいた。

「何の用だ·····牧野 」

「江田島さんたちがなんだか楽しいことをしてたから気になってですねぇ〜」

そう言うと牧野氏はうっすら笑みを浮かべた。

「喧嘩するなら私も参加しますよーこう見えて強いんですよ。はははは!」

コイツ·····俺たちが下手したら·····取り調べ室に連れていくかもしれない。俺は牧野氏の雰囲気からそう感じた。

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