第24話 背徳の黒パンツ


 それからまた月日がたち――。


 ある日、また僕たちのギルドに大きな依頼が入った。

 やはり評判というのはすさまじいもので、次から次に依頼が舞い込む。

 評判が評判を呼ぶというヤツだね。

 うれしい悲鳴だ。


「それで……今度はどこからの依頼なんです?」


 僕はロゼッタさんに訊ねる。

 ロゼッタさんはそれに苦笑い。


「うーん、と。それが、修道院からなんですよね…………」

「えぇ……!?」


 僕は自然と、驚きの声を漏らしていた。

 だって、修道院っていったらあの……格式高く、厳格なイメージの……。

 そんな人たちが、僕のパンツを履きたがっているってことなのか!?

 ちょっと想像がつかない。

 というか、修道院の人たちってどんなパンツを履いているんだ……!?

 なんかそういう人たちに僕がパンツを履かせるってなると……。

 どうしても妙な背徳感を覚えてしまう。


「ということで、さっそく修道院に行ってきてください」


「えぇ…………!? いきなりですね……」


 まあ、それを断るわけにもいかないんだけど。

 僕は求められれば、どんなところでもパンツを履かせるだけだ。

 どうにも修道院という場所は、なじみがない。


 修道院は小高い丘の上に立っていた。

 僕は単身、そこへ出向くことになる。

 なんでも、お祈りの時間とかもあって、厳しいスケジュールに元づいて生活しているようで。

 そうそう気軽には修道院から出たりはしないそうだ。

 それに、修道院の人たちがぞろぞろといかがわしいパンツを買いに降りてくるのは、対外的にもまずいそう。

 なんだか口車に乗せられた感じもするけど、とりあえず僕は修道院へやって来た。


「それで……一体何名分のパンツを作ればいいんです……?」


 僕は代表のシスターに訊ねる。


「そうですね。いまここにいる、15人分」


「わかりました……それで、デザインは……?」


 僕がたずねると、シスターは少し言いにくそうにして……。

 顔を赤らめ、頬に手をあてつつこう言った。


「あの……黒のレースの、きわどいのを……少々」


「黒のレース!? きわどいの……!?」


 僕はシスターの言ったことをそのまま復唱。

 そのくらい驚いてしまったということだ。

 

 なんで……?

 いったいなにがどうなって、修道女たちに黒のレースの下着を履かせようというのだ。


「その……ルインさん」

「はい」


 シスターはまた、言いにくそうに。


「私たちってほら、普段厳しい規律で、縛られているでしょう……?」


「はぁ……まあ、そうでしょうねえ」


 それは彼女たちの立ち振る舞いを見ていてもよくわかる。

 僕がみてきたなかで、一番清楚で、黒のレースの下着とはかけはなれた位置にいる人たちだ。


「それゆえに、その……たまにはハメもはずしてみたいのですわ!」


「えぇ…………!?」


「下半身くらいは、なにものにも縛られたくないじゃないですか!」


「そ、そうですかねぇ……」


 まあシスターがそういうからには、そうなのだろう。

 黒のレース下着が、彼女たちの戒律的にどうなのかはわからないが。

 とにかく僕はそれを人数分作ることになった。


 ――シュン!


 ――シュン!


 僕は手のひらから、どんどんパンツを出していく。

 もうすっかり、慣れたものだ。


「すごいですね……」


「ええまあ、毎日やっていますからね……」


 そして……。


「できた……!」


 僕の渾身のパンツたちが完成する。


 うう……。

 こうして目の前に、黒のどえっちなパンツが並んでいるのを見ると、いまだに信じられない。

 これから目の前の清楚で神聖なシスターさんたちが、これを履くことになるのかと……。

 まったく、そんな気なんてさらさらないのに、背徳的な高ぶりを覚えずにはいられない。


 シスターさんたちが身体のラインにピッタしな服を着ているせいもあるかもしれない。

 何名かのシスターさんは、胸も大きく、ちょっとその服を着るのには危険すぎる感じだし。

 そんな彼女たちが、コレを履くと、いったいどうなってしまうのか。

 だってこれ、後ろはほとんどないようなものだ。

 薄い衣服の下にこれを履いたら、お尻の部分がものすごくくっきりしてしまうんじゃなかろうか。


 そんなことを考えている僕に、シスターさんが言った。


「では……これを履かせていただけますか……?」

「は………………?」


「みなさん、それでよろしいですわよね?」

「はい、シスタージェシカ」


 その場にいたシスターさんたちが、声を揃えて言う。


「えぇ…………!?」


 どうやら僕は、シスターさんたちをこれから一人ずつ、脱がせていくことになるらしい。



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