《パンツ製造》スキルはゴミだと追放されたけど、僕のパンツを履くと強くなれると女の子たちからは評判です!実は僕製パンツは僕への好感度が高いほど、装備した人を強化する伝説級の神アイテムでした!
第8話 毎日ルインくんを褒める時間を作ります!
第8話 毎日ルインくんを褒める時間を作ります!
「はい、みなさん集合してください!」
夕方、またロゼッタさんはギルドの女の子たちを食堂に集めた。
なにか考えがあると言っていたけれど……なんだろう。
僕の自己肯定感を飛躍的に高める方法。
「今日からみなさん、一日一回、必ずルインくんを褒めてください!」
「はーい! わかりました!」
ロゼッタさんの意味不明な命令に、女の子たちはなんの疑問もなく同意した。
僕は混乱しているんだけど……!?
「一日一回だけじゃなくて、二回でも三回でもいいですが……。挨拶するときとかに、必ずルインくんを褒めてくださいね!」
ロゼッタさんは笑顔でとんでもないことをさらっという。
「ルインくんを褒めるのなんて、簡単だよね!」
「というか……言われなくても褒めてるよね!」
「だって、ルインくんの作ってくれたパンツで、毎日とってもはかどってるもんね!」
でも、どうやらみなさん異論はないようだ。
僕としてはまあ、うれしい……のか?
僕はこれをどう捉えればいいのだろう。
「あ、あの……ロゼッタさん! どういうことですか!?」
「簡単なことですよ! ルインくんを褒めれば、そのうちルインくんのネガティブな性格も矯正されるはずです!」
「た、たしかにそうかもしれませんが……! 恥ずかしいですよ!」
「そういうところがいけないんですよ! ルインくんはなんでも否定から入りがちです! ここはお姉さんに任せなさい!」
「えぇ……」
「それに、これはルインくんのためだけじゃなく、ちゃんと彼女らにもメリットのある行為なんですよ?」
「どういうことですか……?」
「ルインくんを素直に褒めるうちに、みんなからのルインくんに対する好感度も、さらにあがっていくはずです! そうすれば、ルインくんの作ったパンツの効果もさらに増大します!」
「な、なるほど……!」
まさかロゼッタさんはそこまで考えていたなんて……。
あまりに僕に都合のいい展開だ……!
だけど、僕はそれを受け入れるべきなのかもしれない。
僕は……今まですごく苦労して、我慢してきたんだ。
そろそろ素直に、幸せになってもいいのかもしれない。
「ロゼッタさん……! こんな僕に、ここまでしてくれてありがとうございます!」
「ルインくん、まだまだこれだけじゃないですよ?」
「え……?」
「ルインくんのパンツを市場に売り出すためには、まだ超えなければならないことがあります。それがなんだかわかりますか?」
「い、いえ……」
「ルインくんのパンツを売り出しても、世間の人がルインくんのことを知らなければ、効果がないですよね?」
「あ……たしかにそうですね」
「なので、世間的なルインくんの好感度をできるだけあげることが必要なんです!」
そ、そんなこと言っても……。
どうするんだ……!?
まさか僕を有名人にでもしようというのだろうか……?
「なので、ルインくんにはこれから、冒険者として英雄的な活躍をしてもらいます!」
「ええええええええええええええ!?」
「そうすれば、世間のみなさんからのルインくんに対する評価があがり、パンツの効果が出るわけです。そしてパンツが売れれば、さらに好感度が上がり、以下それの無限の相乗効果です!」
「そんな上手くいきますかねぇ……」
「いきますよ! だって私のルインくんなんですから! もっと自信をもちなさい!」
「そ、そんなこと言われましても……」
相変わらず、ロゼッタさんはぶっ飛んでるな……。
まるで僕と正反対の性格だ。
でも、僕はそんなロゼッタさんに、惹かれているのも確かだ。
「ロゼッタさん……! 僕、ロゼッタさんのために頑張ってみます!」
「その意気です、ルインくん!」
そして、その日から帰り際に、女の子たちが僕を褒めるようになった。
「ルインくん、今日も可愛いね!」
「ルインくん、今日もルインくんのおかげで頑張れたよ!」
「ルインくん、いつもありがとう! ルインくんのパンツ、最高だよ!」
なんだか褒められるというのにも慣れてきた。
素直に受け取れば、案外悪いことじゃないかもしれない。
「あ、ありがとうございます!」
そうするうちに、なんだか自信がついてきたきがする。
僕の自己肯定感は、着実に育っていた。
なんだかまんまとロゼッタさんに乗せられてるきがするなぁ……。
「まあ、いっか……!」
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