第7話 好感度メータを作りました。
翌日、僕はロゼッタさんに呼び出された。
場所は、ココさんと出会ったあの、研究室だ。
「ルインくん、見てください。ココが【好感度メーター】を作ってくれました!」
「好感度メーター……なんですか、それ」
「これはルインくんへの好感度を数値で表してくれる魔道具です!」
「そ、そんなものが……!?」
確かに僕のパンツの効果を考えれば、便利なものかもしれないけど……。
それってつまり、僕にとっては残酷な物なんじゃないか!?
だって、僕への好感度が丸わかりってことなら……。
うう……想像したくもない。
「ではまず、一般的な恋人の数値ですが……これが基準となる100です」
「なるほど……」
「それで、基本的に多くの人は0からスタートです」
「ふむふ」
「嫌ってる人に使用した場合は、数値がマイナスになります」
「わかりました。だいたい基準は把握できました」
ということは、0以下の人がパンツを履くと、デメリットが、0以上の人が履くとメリットがあるというわけだね……。
でも、ロゼッタさんはいったいどのくらいの好感度を持ってくれているのだろうか……。
パンツの効果があったってことは、少なくとも0ではないだろうし。
でも、100なんてことはありえないだろうから、50くらいなのかな?
いや、それは少し期待しすぎかな……なんて考える。
「では、実際に使ってみましょうか」
「そ、そうですね……ちょっと怖いですけど……」
「まずは試しにココに使ってみてください」
「わかりました……」
「いいですか、ココさん?」
「うん……」
「えい……!」
僕はココさんに向けて、好感度メーターを使用した。
すると……。
「95……!?」
そんなの、ほぼ恋人並みの好感度じゃないか!
いったいココさんはいつの間に僕に好感を持ってくれていたんだろう。
「ココさん、そんなに僕のことを……!」
「ん……ルイン、やさしいし、かわいい。有能」
「あ、ありがとうございます……」
どうしよう……ついに僕にも彼女が出来たりするんだろうか……。
それにしても、ココさんは惚れやすい子なのかな?
いろいろと無垢で無防備な子だから、僕が守ってあげたくなる……。
「じゃ、じゃあ次はロゼッタさんに」
「へ……!? わ、私ですか!? わわわ、私は……大丈夫かな……なんて……」
「どうしてですか!?」
「だって、私がルインくんを好く思ってることは、既に伝えてるじゃないですか……」
「それでも、安心したいんです!」
「あ、ちょっと……!」
だって、ココさんで95なのだったら、ロゼッタさんの数値も知りたくなる。
僕はいくら言葉で好感度があるっていわれても、どうにも信じられないでいた。
だって、ロゼッタさんみたいな人が僕のことをどう思ってるかなんて……!
絶対になにか勘違いに決まってる!
そう思って僕は確認のために、ロゼッタさんに好感度メーターを使った。
「えい……!」
すると――。
「ごごごご、500!?」
一瞬、数値がどこかおかしくなったのかと思った。
だって、それってつまり、一般的な恋人の5倍の好感度だ。
すでに付き合っていないのがおかしいくらいの数値だぞ!?
あのロゼッタさんが、僕のことをそんなに思ってくれていたのか!?
あ、ありえない……!
「ろ、ロゼッタさん。こ、これって……なにかの間違いなんじゃ……」
「だ、だから私はいいといったんです! もう! 恥ずかしいです……」
「じゃ、じゃあ本当に……!」
「は、はい……私はもう、ルインくんに夢中なんです。というか……ずっと前から好きでした」
「そ、そうだったんですね……」
「今回のことは、ちょうどいい機会だと思って、ルインくんを誘ったんですよ」
そういえば、前から僕の仕事ぶりを見てくれていたと言っていたもんな……。
それにしても、まさかロゼッタさんのようなすごく素敵な人が、僕の頑張りをこっそり見ててくれてたなんて……。
今まで頑張ってきた甲斐というものが、あったのかもしれない。
「ロゼッタさん……! 本当に嬉しいです。でも、僕はロゼッタさんと釣り合うような人間じゃ……」
「そんなことはありません! ルインくんはすでにすごい人ですよ! みんな、ルインくんのパンツですごく助かっているんですから!」
「そ、そうですか……? ありがとうございます」
「ま、まあ……ルインくんはまだ子供ですからね。すぐにとは言いません……。でも、いずれその気になったら、私と交際……してくれますよね?」
「も、もちろんです……! 僕、ロゼッタさんの隣に立てるような男になるため、頑張ります!」
「約束ですよ……? 私も、ルインくんの自己肯定感が高く持てるように、協力します!」
自己肯定感か……たしかに、僕には一番足りないものかもしれない。
でも、それが高くなれば、きっと……!
「そうだ! パンツの効果!」
「どうしたんですか……?」
「パンツの効果は、ルインくんに対する好感度の高さで決まりますよね?」
「そうですね……」
「つまり、ルインくんの自己肯定感が高まれば、ルインくん自身が履いたときでも効果があるんじゃないですか……!?」
「確かに……! それは考えたことありませんでした……」
「なら、なおさらルインくんの自己肯定感を高める訓練が必要ですね!」
「え……!」
なんだか、嫌な予感がする。
またロゼッタさんはとんでもないことを考えてるんじゃないだろうか……。
そして、僕の予想は当たっていた。
「私に、考えがあります……!」
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