密着取材編
さいしょ
*このお話はすべてフィクションであり、実在の人物・組織等との関係は一切ございません。
――この青年に怖れという感情は存在しないのだろうか。
「そりゃ怖いと思うこともありますよ。一応(僕も)人間ですからね(笑)」
穏やかな笑みを浮かべるこの青年は、
――勇者の朝は早い。
十月
――見渡す限りの草原の
Q.おはようございます。今日からよろしくお願いします。
「おはようございます。これもうカメラ回してるんですか?」
――そう言って、取材班が手にしたテレビカメラを興味深そうに覗き込む。こうして見れば、ごく普通の青年となんら変わらない。
Q.カメラがあると緊張する?
「普通の取材や撮影なら慣れてるんですけどね。『平熱大陸Xの流儀』の密着取材だと思うと多少は(緊張)しますね(苦笑)」
Q.いつも朝はこんなに早い?
「冒険中は大体そうですね。(起床は)早いですね」
Q.ゆうべは お楽しみでしたね。
「一人でナニを楽しむんですか」
Q.魔王城の近くなのに一人? パーティーの方は?
「魔法使いさんは基本野宿NGなので。いつも
――そういって青年はテント脇に転がった
幾度となく、共に苦難を乗り超えてきた
Q.仲間が死んで悲しくないか?
「まあ教会に行けばすぐ復活させられますし」
――いつ
心無いプレイヤーに、名前を『ああああ』にされた時も。
ステータス上昇系の種を与え続けていた仲間の王子が途中でいきなり
その度に彼は、例のテーマを胸に、乗り越えてきた。
何故なら、彼の職業は、勇者なのだから。
(チャチャチャーラッチャー♪)
(チャチャチャ―ラチャッチャッチャー♪)
『この放送は、nikataビールと、ご覧のスポンサーの提供でお送りします』
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