3月31日 バイバイYESTERDAY

 三月も今日で終わりです。

 現実は容赦なく、時間は知らないうちに過ぎてしまうようですね。


「女子高生」の肩書きも今日まで。

 制服を着れるのも今日までだった。


 早く大人になりたかった。

 強がって、背伸びして、生き急ぐように毎日は過ぎてた。

 学校という名前の閉鎖空間は少しだけ息が詰まったし、黒板に羅列された文字をノートに写す作業にも結局最後まで意味を見出すことは出来なかった。

 卒業アルバムも、もちろん学校行事は空白だった。

 放課後の部活動も制限だらけだったし、寄り道もできっこない自粛の日々。


 何も無かった、と言えば何も無かった三年間。


 クローゼットに吊るされたままのブレザーはちょっとよれてるし、スカートも二回折が通常モードだったおかげで腰周りはシワだらけ。



 バイバイyesterday

 365日分の学びを

 カバンにつめこんで いつもみたい

 またあした的に



 知ってた。卒業証書は手元にあるから。

「またあした」はもう来ないんだ。



 バイバイyesterday

 365日分の出来事

 僕を大人にしたなら 涙なんて

 見せもしないで



 ねぇ、私はもう大人になれたって言えるの?

 欲しかったはずの肩書きは、こんなにも呆気なく手元にあるものなの?



 バイバイyesterday

 365日分の想いは

 置いてけるわけないから

 全部持って そろそろ行こうか



 高校生のままでなんていられないから。

 制服を脱いだらコドモだなんて言い張れないから。


 昨日の自分に戻ることは出来ないし、このまま同じ時を過ごすことだって出来やしないんだ。


 バイバイ女子高生。

 炭酸みたいに爽やかで、喉がヒリつくような思い出。

 渇望するようにおかわりを求めてしまう。

 それなのに今はお腹はいっぱいだ。



 バイバイyesterday

 365日分の思い出

 もっと大人になっても

 少しも色褪せないさ

「バイバイYESTERDAY」3年E組うた担


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