第26話 オレ姉さんとの出会い

「何か良さそうな依頼があったら受けてみますね」


 受付嬢のお姉さんにアタシはそう言うと、宿屋と服屋、と言うか、武具屋を紹介してもらい、まずは宿に向かうことにした。



 宿屋の名前は若芽亭と言って、一泊銀貨3枚、朝食付きと、中々にリーズナブルだった。とりあえず、三泊予約して、それからは紹介された武具屋へ。ナツコさんとマーニャは宿で留守番してるってさ。



 武具屋に入ると、店内は所狭しと、様々な防具や武器が陳列されていた。店番らしきおっちゃんと、お客らしい女性がいる。


 女性はアタシより頭ひとつ大きいくらいだけど、骨格ががっしりした感じで太くもないけど細くもない。お胸は普通にあるな……もしかして、ドワーフなのかも?



 とりま、それどころじゃないや。アタシは自分の目的を果たさなきゃ。



 欲しいものは、服と防具一式。なにしろ、ウサ皮のブラとパンツに足袋、あとは熊皮ポンチョだけなんですよ、アタシの装備。



 山ならいいけど町中でこの格好、ポンチョでごまかしてるけど、まだ痴女に見られてしまう。



 焦げ茶色に黄色や黒の装飾が入ったシャツとキュロット、ソックスが結構良いな。これにカーキ色のブーツとすね当て、小手、ゴーグル付きの皮帽子のセットを組み合わせて。



「アンタ、なかなか良いチョイスするね」



 ドワーフ?のお姉さんが声を掛けてきた。



「そう? このデザイン、結構好きかな~って」

「それさ、委託販売してて、作ったのオレなんだよ」



 まさかの制作者でオレ姉さんキタ!



 アタシはお店で選んだ装備を購入。全部で金貨1枚と大銀貨1枚。ソックスの替えと肌着、木綿のブラ、パンツそれぞれ3枚セットも追加してる。


 本当は、胸当て、ベルト、腰鎧と短剣、鉈、槍も見たかった。体に合う商品がなかったのでこれ以上あそこで揃えるのは諦めたんだけど、そしたら、声をかけてくれたオレ姉さん(やっぱりドワーフだった)が話があると言う。




 アタシはドワーフ姉さんに案内されて、喫茶店らしきお店に連れられて来た。



「商品買ってくれたお礼に、ここは奢るよ。ここはソーダ水とシナモンクッキーが旨いんだ」



 炭酸あるの?!シナモンあるの?!


 アタシは遠慮なくご馳走になることに!



 クァアアー!久々のシュワシュワ爽快感!しかも、程好い甘さ!シナモンクッキーも美味しい!



「これ、ソーダ水とシナモンって、どこでも手に入るのかな?」

「気に入ったか?ソーダ水はドワーフ郷の名産だな。シナモンは露店でも売ってるけど、魔獣の森で手に入るみたいだね」



 マジか!後で色々お店見なきゃ!

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