カントスの出会い
第25話 カントスでランクアップ
影異相転移のスキルは、平行する異相空間に身体を移し、現界を無視して移動出来るもの。しかも、これは影空間収納と同じ空間だから、内部時間は停まっている。
つまり、外の人にしてみれば、アタシは一瞬で移動していると認識されているのだ。それから、収納エリアは、アタシがどれだけ動こうが、アタシに付随する。
そして、まだ試していない力。
『異相空間への自分の投影率を巨大化すれば、現界における長大距離を一跨ぎも可能』
アタシは、街道に転がっているであろうゴミクズを見たくもないし、この力を試してみる事にした。
投影率400倍で影異相転移!
影空間に入ったアタシはビックリ!
適当に400倍っていったけど、たぶん、500m以上の身長になってる!
まるで、暗い影絵のミニチュア世界に居る巨人になったみたいだ!
カントスまでは30kmほどの距離ってエデンさんから聞いていたけど、今のアタシは二歩で1km進める。60歩でカントスに到着して、街の直前で現界に復帰した。
アタシに続いて、ナツコさんとマーニャも出てくる。
二人は収納物のとこにいたんだけど……
「凄いわね。一瞬で景色が流れた、と言うか溶けたわよ」とは、ナツコさんの感想。
何か風情はないけど、急ぐ時には有効なスキルだねえ。
カントスの街は、3m位の高さの外壁があって、入り口には門衛さんもちゃんと居ました。身分証として冒険者ギルドカードを提示したらすんなり入れたよ。
リデル村と違い、石畳の街路に木造の建物が一杯って感じ。
カントスの冒険者ギルドはすぐ見つかった。リデル村と同じく、剣と弓のシンボルが描いてある。
入り口はウエスタン調のバーの扉で、中はエデンさんとこより3倍広い。カウンターには受付嬢が3人。
右手にはクエストを貼り付けている依頼ボードがあり、冒険者がたむろしている。
アタシの小さい身体と美少女?ぶりにプラスしてナツコさんも居るため、かなり注目されてるみたいだけど、視線は無視してカウンターへ。
「冒険者ギルドへようこそ。どのような御用件でしょうか?」
受付嬢は理知的なお姉さん、って感じ。必要以上に愛想は振り向かないが、営業スマイルはしっかりとしている。
「初めてこの街に来たので挨拶に。それと、宿屋と服屋を教えて欲しいんですけど」
ギルドカードを提示しながらアタシは言った。
拝見します、と言って受付嬢さん、アタシのカードを見始めると、あらっ?って。
「リデル村発行ですけど、ランクが要更新になってますね。少々お待ちを」
んん? アタシはランクEなはずだけど。ランクCに上がる予定もあったけど、ゴミクズに潰されちゃったし。
「お待たせしました。ランクはDに更新されています。それから、護衛クエストを成功してもらうとCランクの許可も出ているようですね」
きっとエデンさんが何かしてくれたのかなぁ。
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