第七百二十四話 マリー・エドワーズと真珠が客室で目覚めた後にマーキースが目覚め、マリーたちは教会に死に戻る
マリーは目を開けた。
マリーは強制ログアウトした時に座っていた客室のソファーで、マーキースと身体を寄せ合っていた。
客室には明かりが灯っている。
向かい側のソファーではソファーの背もたれに背を預けて眠るユリエルと、ユリエルの膝の上に頭を乗せている真珠がいる。
真珠はマリーが目覚めると同時に目が覚め、ユリエルの膝の上から頭を持ち上げた。
マリーは自分が動くとマーキースが倒れてしまいそうで動けず、真珠を見つめて口を開く。
「真珠、おはよう」
「わうわぅ、わうー」
真珠はユリエルがまだ寝ているので、ソファーから飛び下りてマリーに駆け寄る。
ユリエルの護衛騎士は、部屋の扉の側に静かに佇み、ユリエルを見守っている。
真珠がマリーの膝の上に飛び乗った。
マリーは真珠の頭を撫でて口を開く。
「ねえ、真珠。私、そーっとなら動いていいと思う?」
「くぅん?」
『アルカディアオンライン』は痛覚設定が0パーセントでプレイヤーが痛みを感じない仕様だし、今、マーキースの中の人の晴菜は今ログアウトしているから、マーキースの身体がマリーの支えを失って倒れ込んでも支障はない。
でも、マリーはマーキースの身体を勢いよく倒れさせるのは気が引けて、真珠を膝に乗せながらそーっとそーっとマーキースから距離を取っていく。
マリーにもたれかかっているマーキースの身体がゆっくりと傾いていき……マーキースがぱっと目を開けた。
マーキースの中の人の晴菜が今、ログインしたのだ。
目を開け、身体を起こしたマーキースはマリーと真珠を見て微笑み、口を開いた。
「マリーと真珠もログイン……起きてたんだね。おはよう」
「おはよう、マーキース」
「わうわぅ、わーうーう」
マリーと真珠もマーキースに挨拶を返す。
マーキースはマリーの膝の上に座っている真珠の頭を撫でて正面に座っているユリエルに視線を向け、口を開いた。
「ユリエル様はまだログインしてないみたいだね」
「そうなの。ユリエル様は寝顔も綺麗だよね……っ」
マリーの言葉に真珠も肯く。
マーキースはユリエル贔屓なマリーに呆れたような顔をして、口を開いた。
「じゃあ、ボクはそろそろ行くよ。し……ろい粉の量が足りなくて固有クエストが達成できなかったっぽいから、海に行って海水を汲んだり、西の森に行ってツボの錬金材料の土を掘ったりしないといけないから」
「ねえねえ、マーキース。私と真珠も一緒に行っていい?」
「くぅん?」
マリーは自分も『錬金』スキルを取得して錬金術師ギルドにギルド登録をしたので、錬金塩作りに興味深々だ。
RPGのマップに置かれているような、塩を入れるツボも作ってみたい。
真珠は久しぶりに会えたマーキースと別れるのが寂しくて、一緒にいたいと思った。
「ユリエル様と一緒にいなくていいの?」
マーキースの問いかけに、マリーは少し迷って肯き、口を開く。
「ユリエル様はいつ起きるかわからないし、マーキースのし……ろい粉づくりを手伝えば、私の固有クエスト達成に繋がるかもだし、ユリエル様の役に立てると思うんだ」
「マリーと真珠がいいなら、いいよ。じゃあ、教会に死に戻ろう」
「うんっ。私はユリエル様にメッセージを書いて送信してから死に戻るね。ステータス」
マーキースは『ライト』を唱えまくってMPを減らしていき、マリーはステータス画面を呼び出して、ユリエルにメッセージを書き始める。
♦
ユリエル様。私と真珠はマーキースの錬金塩づくりをお手伝いすることにしました。
いっぱい塩を作って、マーキースとユリエル様と私の固有クエストが達成できるように頑張ります!!
♦
マリーはユリエルへのメッセージを書き終えて送信した後、真珠に『クリーン』をかけまくって魔力枯渇になる。
最大MP値と最大HP値が少ないマリーと最大MP値と最大HP値がマリーより多いマーキースはほとんど同時に教会に死に戻った。
***
マリー・エドワーズのスキル経験値が上昇
クリーン レベル2(0/200) →クリーン レベル2(10/200)
マリー・エドワーズのMP最大値が上昇 MP 61/61 →0/62
風月29日 夜(5時45分)=5月25日 21:45
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