第七百十八話 5月25日/晩ご飯を食べた後にログインして1GPを申請してからユリエルにメッセージを送信する
悠里は晩ご飯のカレーピラフとロールキャベツをおいしく食べ、デザートにパイナップルを食べて満腹になった。
その後、悠里は自分の食器を洗い、歯を磨いてトイレに行き、それから二階の自室に向かう。
「要先輩に強制ログアウトしたこと、謝らないと……」
階段を上がりながら、悠里は呟いた。
『アルカディアオンライン』の仕様上、一人暮らしではないプレイヤーは強制ログアウトからは逃れられない場合が多い。
プレイヤーが強制ログアウトするのは仕方がないとプレイヤー同士は笑うけれど、でも、それでもやっぱり迷惑をかけたら謝りたい。
悠里は自室に足を踏み入れ、机に向かう。
それからスマホを手に取り、要にメッセージを送ろうとした悠里は晴菜からメッセージが来ていることに気づいた。
悠里は要にメッセージを送る前に晴菜からのメッセージを確認することにした。
♦
悠里、もう晩ご飯食べた?
あたし、お風呂に入る前にちょっとだけ『アルカディアオンライン』にログインしようと思ってるんだ。
会えそうなら、ゲーム内でメッセージをください。
♦
晴菜のメッセージを読み終えた悠里は、ゲーム内で晴菜の主人公のマーキースにメッセージを書くことにして、要へのメッセージを書き始めた。
♦
要先輩、さっきは強制ログアウトして迷惑を掛けてごめんなさい。
晩ご飯を食べ終えたので『アルカディアオンライン』にログインしようと思います。
ログインしたらゲーム内でメッセージを送りますね。
♦
悠里は要へのメッセージを書き終えて送信し、スマホを机の上に置いた。
それから『アルカディアオンライン』のゲーム機とヘッドギアを放り投げたままにしているベッドに歩み寄る。
悠里はベッドの上に乗り、ゲーム機とヘッドギアの電源を入れ、ヘッドギアをつける。
そしてベッドに横になり、目を閉じた。
「『アルカディアオンライン』を開始します」
サポートAIの声がした直後、悠里の意識は暗転した。
気がつくと、悠里は転送の間にいた。
無事にログインできたようだ。
「プレイヤーの意識の定着を確認しました。『アルカディアオンライン』転送の間へようこそ。プレイヤーNO178549。高橋悠里様」
「こんばんは、サポートAIさん。GPをくださいっ。私、晩ご飯を食べました。1GPくださいっ」
「確認します。プレイヤーNO178549。高橋悠里様の脳波確認。確認中……。トゥルース。高橋悠里様に1GPが付与されます。高橋悠里様の現在の取得GPは35GPです」
「ありがとうございます、サポートAIさんっ」
悠里はサポートAIにお礼を言ってステータス画面を出現させ、ユリエルにメッセージを書き始めた。
♦
ユリエル様、今ログインしました。
強制ログアウトして迷惑をかけてごめんなさい。
♦
馬車に乗る前にマリーと真珠が眠ってしまったので、おそらく領主館か『銀のうさぎ亭』のベッドのある部屋で目覚めることになると思うけれど……。
悠里はユリエルへのメッセージを書き終えて送信した。
マーキースへのメッセージは、目覚めてマリーと真珠の状態を確認してから送信しよう。
悠里はそう考えて口を開いた。
「じゃあ、私、ゲームをプレイしますね」
「それでは、素敵なゲームライフをお送りください」
サポートAIの声に送られ、悠里は鏡の中に入っていった。
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