第七百十五話 5月25日/火曜日の晩ご飯前に『転送の間』で25日分の換金をして2GPを申請してからユリエルのメッセージを読む
気がつくと、悠里は転送の間にいた。
無事にログインできたようだ。
「プレイヤーの意識の定着を確認しました。『アルカディアオンライン』転送の間へようこそ。プレイヤーNO178549。高橋悠里様。プレイヤーNO2985490ユリエル・クラーツ・ アヴィラからメッセージが届いています」
サポートAIのアナウンスを聞いて悠里は笑顔になり、口を開く。
「ユリエル様、メッセージをくれたんだっ。でも、メッセージを確認する前に、まずは今日の分の換金をしますっ。1100リズを1100円に変換します」
「作業中……。作業終了。高橋悠里様の登録口座に1100円を入金しました。後程、お確かめください。高橋悠里様の現在の所持金は3687001リズです」
「やったっ。嬉しい。じゃあ、次はGPをくださいっ。私、朝ご飯と給食を食べました。2GPくださいっ」
「確認します。プレイヤーNO178549。高橋悠里様の脳波確認。確認中……。トゥルース。高橋悠里様に2GPが付与されます。高橋悠里様の現在の取得GPは34GPです」
「ありがとうございます、サポートAIさんっ」
悠里はサポートAIにお礼を言ってステータス画面を出現させ、ユリエルからのメッセージを確認する。
♦
マリーちゃん。今、ゲームにログインしたよ。
一緒に遊べるようなら、連絡をください。
♦
「ユリエル様と一緒に遊べるっ。嬉しい……っ」
悠里は喜んで返信をしようとして、手を止め、首を傾げて口を開いた。
「『アルカディアオンライン』のゲーム内時間って、今何時……?」
『アルカディアオンライン』のゲーム内時間帯が今『夜』か『真夜中』だったら、悠里の主人公である5歳のマリーと、マリーのテイムモンスターで子犬にしか見えない真珠が遊びに行くのを、ゲーム内のマリーの家族に止められるかもしれない。
「『アルカディアオンライン』のゲーム内時間は1時45分で、時間帯区分は『早朝』です」
サポートAIの答えを聞いて、悠里はほっとして口を開いた。
「今って『早朝』なんだ。だったらユリエル様におうちまで迎えに来てもらえたら遊びに行けるっ」
悠里はそう言って、ユリエルへのメッセージを書き始めた。
♦
ユリエル様、メッセージをありがとうございます!!
私も今ログインしました。
それで、できればユリエル様に、私と真珠を、おうちに迎えに来てもらえたら嬉しいです。
マリーは5歳で、真珠は子犬なので、私と真珠だけで出かけるとNPCのマリーのお母さんやお祖母ちゃんがすごく心配するんです。
お母さんのお腹の中には赤ちゃんがいるので、あんまり心配させたくないなあと思って……。
ユリエル様からの返信を待っています。よろしくお願いします。
♦
悠里はユリエルへのメッセージを書き終えて読み直し、送信した後に口を開く。
「返信終了っ。じゃあ、私、ゲームをプレイしますね」
「それでは、素敵なゲームライフをお送りください」
サポートAIの声に送られ、悠里は鏡の中に入っていった。
***
高橋悠里の5月25日の換金額 1100円
高橋悠里の貯金額 9800円 →10900円
マリー・エドワーズの現在の所持金 3688101リズ → 3687001リズ
高橋悠里の取得GP 32GP → 34GP
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます