【ノーマの弟たちの名前】第五百八十八話 マリー・エドワーズと真珠はノーマの家に招かれ、ノーマの家族と一緒に朝ご飯を食べる



マリーと真珠はノーマに連れられ、彼女の家に足を踏み入れた。


「あっ!! シンジュ、帰ってきたー!!」


「マリーもいりゅ!! おはよお!!」


ノーマの弟ふたりが駆け寄ってきて、真珠をもみくちゃにする。

もみくちゃにされながら、真珠は頑張って耐えた。

小さい子に吠えてはいけないと真珠は知っている……。


「ごらっ。エドもイギーも、シンジュくんをもみくちゃにしないの!! 優しく撫でてあげるんだよ」


マリーはどっちの弟がエドで、イギーだっけ? と思いながら二人を見つめる。


以前、ワールドクエスト『ウッキーモンキークイーンへの求婚騒動』の終了後にノーマやグリック村の人たちの食事会をした時に、ノーマの弟たちと会っているのだが、マリーは彼らの名前をきちんと覚えていなかった。


「シンジュ、こお?」


「こうやって撫でたらいい?」


ノーマの弟たちは、彼らなりの優しい手つきで真珠を撫で始める。

さっきよりはマシだと思いながら、真珠は尻尾を振った。


「みんな!! 朝ご飯ができたよ!!」


ノーマの母親の声がすると、ノーマの弟たちはテーブルに向かって走っていく。

ノーマの弟たちから解放された真珠は安堵の息を吐く。


「真珠。お疲れさま」


「わうー。きゅうん……」


マリーは甘えてすり寄る真珠を抱き上げた。


「シンジュくん。弟たちの相手をしてくれてありがとう」


ノーマは真珠の頭を撫でて微笑み、口を開く。


「さあ。朝ご飯を食べに行こう」


ノーマの言葉に、マリーと真珠は元気よく肯いた。


ノーマの家のダイニングの丸テーブルには、ノーマ以外の家族が勢揃いしていた。


「マリーは俺の隣に座れよなっ」


「ぼくとおにいちゃんの真ん中だよっ」


「ありがとう。真珠は私が抱っこするからね」


マリーが真珠に微笑みそう言うと、ノーマの母親がマリーと真珠に視線を向けて口を開く。


「あら。マリーちゃん。シンジュの分は平皿に入れて床に置いておいたけど、テーブルで食べた方がいい?」


ノーマの母親の言葉に真珠は視線を巡らせ、マリーの椅子の側にミルクが入った平皿と、フレンチトーストが入った平皿が置かれているのを見つけ、マリーの腕の中から飛び下りた。

そして平皿の前にお座りをして、真珠はノーマの母親にお礼を言う。


「わんっ。わうわううわううわっ」


「真珠のためにありがとうございますっ」


「どういたしまして」


きちんとお礼を言う真珠とマリーにノーマの母親は微笑み、口を開く。


「マリーちゃんも座って。みんなで食べましょう」


「はいっ」


マリーはすすめられた席に座り、ノーマの母親もテーブルについた。

テーブルの上にはチーズが入ったオムレツと野菜スープ、蜂蜜が掛かったフレンチトーストが並んでいる。

すごくおいしそうだ……!!


「いただきます」


「わううわうう」


日本と同じ挨拶をして、ノーマの家族とマリー、真珠は朝食を食べ始めた。


***


ノーマの弟の名前はエドとイギー。

エドが3歳、イギーが7歳。


風月14日 朝(2時18分)=5月22日 0:18



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