第五百十八話 5月20日/寝る前に張り切ってログインして、ユリエルからのメッセージを確認する



要にメッセージを送信し終えた悠里はスマホのアラームをセットして充電し、ゲームで遊ぶことにした。


『アルカディアオンライン』の時間だ……!!


悠里はベッドの上に置きっぱなしにしているゲーム機とヘッドギアの電源を入れ、ヘッドギアをつける。

そしてベッドに横になり、目を閉じた。


「『アルカディアオンライン』を開始します」


サポートAIの声がした直後、悠里の意識は暗転した。


気がつくと、悠里は転送の間にいた。

無事にログインできたようだ。


「プレイヤーの意識の定着を確認しました。『アルカディアオンライン』転送の間へようこそ。プレイヤーNO178549。高橋悠里様。プレイヤーNO2985490ユリエル・クラーツ・ アヴィラからメッセージが届いています」


「えっ!? ユリエル様からメッセージ……!? 確認しなきゃ!! ステータス!!」


ステータス画面を出現させた悠里は、ユリエルのメッセージを画面に表示させて目を通す。





マリーちゃん。俺は今、領主館にいるんだけど、マリーちゃんと遊べたらいいなと思って。

もし無理そうならスルーしてね。

教会で待ち合わせできたらいいなと思ってるんだけど『銀のうさぎ亭』に迎えに行った方がよければ馬車で迎えに行くね。





ユリエルからのメッセージを読み終えた悠里は首を傾げて口を開く。


「今、マリーと真珠ってどこにいるんだろう?」


祖父に抱っこされて、真珠の丸椅子を作るために職人ギルドに行く途中に、マリーは強制ログアウトになった。


「ゲームをプレイすれば、マリーと真珠がどこにいるかわかるよね。居場所を確認してからユリエル様に返信しよう」


悠里はそう言って肯き、口を開く。


「じゃあ、私、ゲームをプレイしますね」


「それでは、素敵なゲームライフをお送りください」


サポートAIの声に送られ、悠里は鏡の中に入っていった。



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