第五百十話 高橋悠里は晩ご飯に餃子と塩ラーメンを食べて和室で祖母と話し、自室に戻る



悠里が祖母と頑張って包んだ餃子はおいしかった。

母親が作ってくれた煮卵とネギが入った塩ラーメンもおいしかった。


「ごちそうさまでした」


お腹いっぱいになるまで食べた悠里は幸せな気持ちで自分が食べ終えた食器をキッチンで洗い、そして歯磨きをするか迷う。

まだ午後6時になっていないのに、歯を磨くのって早過ぎる……?


「でもお腹いっぱいだし、歯を磨いちゃおう」


悠里はそう呟いて洗面所に行き、歯磨きを終えてダイニングに戻る。

ダイニングでは祖父と母親、祖母が緑茶を飲んでいた。


「悠里もお茶、飲む?」


湯飲みを置いて、祖母が尋ねる。

悠里は首を横に振り、口を開いた。


「もう歯を磨いちゃったから。ねえねえ。お祖母ちゃんとお母さんの花束の写真見せて。お茶を飲み終わってからでいいから」


「いいわよ。スマホを持ってくるからちょっと待ってて」


祖母はそう言って席を立つ。


「お祖母ちゃん。私も一緒に行く」


悠里は祖母と共にダイニングを出た。


悠里と祖母は和室に足を踏み入れた。

悠里は和室に飾られたカラーの花束を見て歓声をあげる。

祖母はスマホを手にして花束の写真をスマホの画面に表示させ、悠里に見せた。

悠里は写真を見て笑顔になり、口を開く。


「わあっ。花束、綺麗!! フラワーバスケットも可愛いけど、花束もゴージャスな感じで素敵だね」


「そうね。本当に、生花は素敵ね。なんだか心が潤うような気がするわ」


祖母は花瓶に生けたカラーに視線を向けて言う。

悠里は祖母の言葉に肯き、口を開いた。


「花は枯れちゃうからもったいない気がするけど『アルカディアオンライン』から貰えるならもったいないとか思わなくて済むもんね」


「悠里。心を込めてお花を育ててくださっている方がいるんだから『アルカディアオンライン』から貰えるならもったいないとか思わなくて済むなんて言ってはダメよ」


「はあい。お祖母ちゃん。花束の写真を見せてくれてありがとう。私もフラワーバスケットの写真を撮ることにする。写真を残しておいたら、お花を貰って嬉しい気持ちもずっと覚えていられるよね」


「そうね。私も、カラーの花を心を込めてお世話をするし、花束の写真も大事にするわ。悠里。私とお母さんに花を贈ってくれてありがとう」


「どういたしまして。お祖母ちゃんが喜んでくれて嬉しい。またKPとかGPを貯めてプレゼントするね」


「ありがとう。私もKPやGPを使ってお花を頼んでみようかしら。GPは食材ボックスや酒類ボックスと交換しようと思ってたんだけど……」


「私、食材ボックスや酒類ボックスに何が入っているのか知りたいっ。お祖母ちゃんは食材ボックスや酒類ボックスを頼んでみて」


「そうね。そうするわ」


「じゃあ、私は部屋に行くね」


悠里は祖母に手を振って和室を出た。




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