アルカディアオンライン【高橋悠里 中学一年生・一学期終了編】
第四百八十五話 マリー・エドワーズと真珠はクレムが待つテーブルへと戻り、マリーと真珠はチョコチップクッキーを分け合って食べ終えた時、クレムに情報屋からのメッセージが届く
第四百八十五話 マリー・エドワーズと真珠はクレムが待つテーブルへと戻り、マリーと真珠はチョコチップクッキーを分け合って食べ終えた時、クレムに情報屋からのメッセージが届く
マリーと真珠はフローラ・カフェ港町アヴィラ支店のクレムが待つテーブルへと戻った。
「マリー。真珠。おかえり」
テーブルの席に着いていたクレムがマリーと真珠を迎えてくれた。
「ただいま。クレム……」
「わわうわ……」
マリーと真珠はそれぞれにクレムに応える。
マリーは真珠を抱っこして椅子に座らせ、自分も真珠の隣の椅子に座った。
それからクレムを見つめて口を開く。
「クレム。私、なんで死んだのかわかる? 全然死ぬ心当たりとか無いんだけど。転んだわけでもないし……」
「あー。えーっと、それは……」
クレムは青く澄んだ目でクレムを見つめる真珠を見て、マリーが死んだ理由を言うことを躊躇う。
真珠はマリーが大好きだ。
だからきっと、自分がマリーの膝の上に飛び下りたせいでマリーのHPが1減って死んだことを知ったらすごく悲しむだろう。
クレムは迷いに迷って……しらばっくれることにした!!
「いやー。オレもちょっと何が起きたかわかんないだよなあ……」
若干棒読みなクレムのセリフを、マリーと真珠は疑わなかった。
「そうだよねえ。クレムにもわからないよねえ……」
「くぅん……」
「まあ、そういうことは情報屋に情報を売りつつ分析とかしてもらえばいいじゃん? あっちは情報をナリワイとしてるプロなわけだし」
「そうだよねっ。情報屋さんならきっと答えを見つけてくれるねっ」
「わんわんっ」
クレムの言葉を聞いたマリーと真珠は元気になった。
クレムは若干の罪悪感を抱いたが、マリーと真珠が笑顔になったのだからそれでいいと自分を納得させる。
「真珠がくれたチョコチップクッキーを食べようっ。真珠と半分こしようね」
マリーはそう言いながら真珠がくれたチョコチップクッキーを半分に……半分には割れず、大きい欠片と小さい欠片に割れた。
マリーは大きい欠片を手に取り、真珠の口元に運ぶ。
「真珠。あーん」
真珠はマリーに甘くておいしいチョコチップクッキーを食べさせてもらえることが嬉しくて、口を開けた。
マリーは真珠の口にチョコチップクッキーの大きい欠片を放り込み、自分は小さい欠片のチョコチップクッキーを食べた。
真珠がくれたチョコチップクッキーはすごくおいしかった。
「あ。メッセージ来たみたいだ。今確認する。ステータス」
クレムはステータス画面を出現させてメッセージを確認して、口を開く。
「情報屋からの返信が来た。来客中だけど、同席してよければ今から会えるって。客っていうのはマリーのフレンドのマギー・ジレンホールって人だって。知ってる?」
「知ってる!! マギーさんは美人で優しいお姉さんなんだよ」
「わんわんっ」
マリーの言葉に真珠も肯く。
マギーはマリーと真珠に無料で『ウィンドウォール・キューブ』を使ってくれて『クリーン』の魔方陣の模写をする方法を教えてくれた。
マリーと真珠はマギーのことが大好きだ。
クレムはテーブルの上に残ったミルクレープとカフェラテに視線を向けて口を開く。
「じゃあ『今から行く』って返信する。マリーはミルクレープとカフェラテ、食って飲み終えるかアイテムボックスにしまうかしておけよ」
「わかったっ」
クレムは情報屋にメッセージを書き、マリーはミルクレープを半分に割って……マリーの主観では綺麗に二つに割れた……片方を真珠の口に放り込み、もう片方を自分の口に押し込む。
それから中身が残っているカフェラテのカップを腕輪に触れさせて収納した。
***
風月8日 夕方(4時40分)=5月20日 14:40
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