第四百二十五話 高橋悠里は大好きな先輩からのメッセージを確認して返信し、中間テストの勉強をしてからログインして、ウェインとイヴからのメッセージを確認する

悠里は要からのメッセージを表示させて目を通す。





悠里ちゃん。もう晩ご飯は食べた?

俺は中間テストの勉強をしてからゲームをプレイしようと思ってる。

21:30頃にログインする予定だよ。

悠里ちゃんと一緒に遊べたら嬉しいけど、無理そうなら宿屋のNPC女性から情報収集しようと思う。

俺は、NPCの左腕の鎖みたいなアクセサリーが気になるんだ。

じゃあ、ゲームか学校で会おうね。





悠里は要からのメッセージを何度も読み返して心癒された。

要先輩はかっこよくて優しくて、勉強と『アルカディアオンライン』を両立させていて本当にすごい。


「私は勉強しようなんて全然思わなくて、今から張り切ってゲームする気満々だったのに……」


こんなことでは圭に『デートよりゲームを優先するゲーム好き』と認識されてしまっていても反論できない。


「……要先輩からのメッセージを何度も読み返して幸せに浸ってる場合じゃないっ。返信しなくちゃ……っ」


悠里は要へのメッセージを書き始める。





要先輩。メッセージをありがとうございます。

要先輩を見習って、私も中間テストの勉強をしてからゲームをプレイしますね。

要先輩と一緒に遊びたいので、21:30頃にログインしたいと思ってます。

要先輩とゲームで会えるのを楽しみにしています。





悠里は自分が書いたメッセージを読み直して送信した。

それから今の時間を確認した。20:12。

一時間くらい勉強できる。


「よしっ。勉強しようっ」


今、要が勉強しているかもしれないと思うと悠里もやる気が出る。

悠里は中間テストの勉強を一時間して、その後、明日の学校の支度をしてからゲームをプレイするためにベッドに向かう。


悠里はゲーム機とヘッドギアの電源を入れてヘッドギアをつけた。

ベッドに横になり、目を閉じる。


「『アルカディアオンライン』を開始します」


サポートAIの声がした直後、悠里の意識は暗転した。


気がつくと、悠里は転送の間にいた。

お風呂から上がった時に着替えたパジャマ姿だ。


「プレイヤーの意識の定着を確認しました。『アルカディアオンライン』転送の間へようこそ。プレイヤーNO59721ウェインからメッセージが届いています。プレイヤーNO68981イヴからメッセージが届いています」


「ウェインからのメッセージはリアルで貰った内容と同じかも……。一応確認しておこう。ステータス」


悠里はステータス画面を出現させてウェインからのメッセージを確認する。

ウェインからのメッセージを読み終えた悠里はため息を吐いて口を開いた。


「やっぱりリアルで知らせてくれたことと同じ内容。返信はしなくていいかな。リアルで直電したし」


そして圭から一方的に通話を切られた。

悠里はため息を吐き、次に、イヴからのメッセージを確認する。





マリー!! あたし、ウェインとゲーム内で付き合うことになったよ!!

嬉しい。好きになった人と付き合うのは初めてだから嬉しい。

恋愛の先輩として、困った時は相談に乗ってね。

マリーとユリエル様のことも応援するからね!!





イヴからのメッセージを読み終えた悠里は微笑んで口を開く。


「イヴさん、嬉しそう。よかったね。イヴさんには返信しよう」


悠里はそう言って、イヴに『ウェインと付き合うことになってよかったね。おめでとうございます』と記載して返信した。



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