第四百四話 マリー・エドワーズはユリエルとバージルに返信してバージルからのメッセージを読み、バージルと合流するために『ルーム』を出る
マリーはユリエルへの返信に『私と真珠はぜひユリエル様と一緒に船に乗りたいです!! 情報屋さんと一緒にいるのですが、情報屋さんも船に乗りたいと言っています。あと、もしかしたら私のフレンドも一緒かもしれないのですがいいですか? 今、情報屋さんのルームにいるのですが、馬車が来てくれるのなら教会前で待ってます』と記載して送信した。
その後、マリーは情報屋に視線を向けて口を開く。
「情報屋さん。今、ユリエル様に『私と真珠と情報屋さん、それから私のフレンドも一緒に船に乗りたい』って書いて送信しました」
「ありがとうございます。マリーさん」
情報屋はメッセージの確認を続けながらマリーにお礼を言う。
マリーは続いてバージルにメッセージを記載することにした。
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バージルさん。私は今、情報屋さんと一緒にいて、情報屋さんはバージルさんに会ってくれると言っています。
今は私と情報屋さんは港町アヴィラの教会にいるのですが、死に戻りして合流できそうですか?
もしかしたら領主館に行くかもしれないので、私たちが教会にいなかったらまた連絡をください。
よろしくお願いします。
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マリーはバージルへのメッセージを記載して送信した。
真珠はおとなしく光るビー玉を転がして遊んでいる。
情報屋はすさまじい速度でフレンドからのメッセージを確認している。
マリーはイヴからのメッセージを確認することにした。
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マリー。メッセージ読んだよ。
あたしも探偵と港で合流して聞き込みをしたんだけど、怪しい船はもう出航しちゃったみたい。
『港町アヴィラ領主の感謝状』を持ってるから、とりあえず今から領主館に行ってみる。
もしかしたら領主が船とか持っていて借りられるかもしれないから。
マリーと真珠も、気が向いたら領主館に来てね。じゃあね。
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イヴのメッセージを読み終えたマリーは返信するか迷った末に、スルーすることにした。
要はイヴの中の人に良い感情を抱いていない。
だから、ゲームの中でイヴとユリエルを会わせたいとは思わない。
だからスルーする。トラブルを回避するためのスルーする力は大事だと悠里は思う。
「次はアーシャさんからのメッセージを確認しよう」
マリーはアーシャからのメッセージを確認した。
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マリーちゃん。さっきログインして、ワールドクエストの内容を見てすぐに孤児院に行って事情を確認したんだけど、ウチの知り合いの子たちも攫われたみたいだから、すごく心配。
でも、ウチにはヘヴン島に行く手段がないから、ウチ以外のプレイヤーが頑張ってくれることを祈るしかないかも……。
マリーちゃん。もしヘヴン島に行く手段が見つかったらウチにも教えてね。
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マリーがアーシャからのメッセージを読み終えた直後、可愛らしいハープの音が連続で鳴った。
フレンドからのメッセージが来たようだ。
「ユリエル様とバージルさんからメッセージが来た。んー。バージルさんからのメッセージを先に読もう」
マリーの気持ちとしては大好きなユリエルのメッセージを誰よりも優先して読みたいのだが、バージルが教会に死に戻っているのであればすぐに迎えに行かないといけない。
マリーはバージルからのメッセージを確認した。
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マリー。メッセージ読んだ。今から教会に死に戻るよ。
情報屋と引き合わせてもらえるとものすごく助かる。よろしくな!!
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「バージルさん。今から死に戻って教会に来るんだ。メッセージを先に確認しておいてよかった」
マリーはそう呟いた後、情報屋に視線を向けて口を開く。
「情報屋さん。私のフレンドが今から教会に死に戻ってくるので迎えに行ってもいいですか? そのフレンドと会ってもらって、情報を買ってもらえたら嬉しいです。できたらフレンド登録もしてあげてくださいっ」
情報屋とバージルがフレンド登録してくれたらマリーが連絡役として二人の仲介をしなくて済む。
マリーの言葉を聞いた情報屋はステータス画面を消して口を開いた。
「では私も一緒に行きます。領主館に行くことになっても、港に行くことになっても、どちらにしても教会を出ることになりますからね」
情報屋の言葉を聞いたマリーは彼に肯き、それから真珠に視線を向けて口を開く。
「真珠。今からバージルさんに会いに行くよ。バージルさんは筋肉が大好きで、真珠と私を領主館に送ってくれたお兄さんだよ。わかる?」
「わうう!!」
マリーから説明を受けた真珠は尻尾を振って吠えた。
真珠はバージルを覚えている。
マリーが疲れて道端に座り込んでしまって、真珠が何もできなかった時、バージルはマリーと真珠を助けてくれた!!
マリーは真珠の頭を撫で、真珠が遊んでいた光るビー玉をアイテムボックスに収納する。
そしてマリーと真珠、情報屋は教会に死に戻るバージルと合流するために情報屋の『ルーム』を出た。
***
紫月22日 昼(3時57分)=5月16日 13:57
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