第四百三話 マリー・エドワーズはユリエル、ウェイン、バージルからのメッセージを読んで、情報屋にバージルと会ってくれるように頼む
マリーはユリエルからのメッセージに目を通す。
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マリーちゃん。有力な情報をありがとう。
今、領主館で船を所有しているかお父様に確認しているよ。
たぶん、不測の事態に備えて一艘は船を港に停泊させていると思うんだよね……。
船の所有が確認できて、ヘヴン島に向けて出航できそうなら俺はヘヴン島に行ってみたいと思ってる。
マリーちゃんと真珠くんも、何か予定がなければ一緒に行かない?
領主館に来てくれるなら、雨だし、馬車で迎えに行くね。
マリーちゃんからのメッセージを待ってます。
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「真珠!! ユリエル様からのメッセージが来たよ!! 私と真珠、ユリエル様と一緒に船に乗れるかもしれないよ!!」
「わうわう!! わんわんっ!!」
真珠は『ふね』という言葉の意味はわからなかったがマリーと真珠とユリエルが一緒にいられるのは嬉しくて尻尾を振る。
メッセージを確認していた情報屋がマリーに視線を向けて口を開いた。
「マリーさん。ウェインさんからのメッセージを確認していただけますか?」
「えっ? あ、はい」
マリーは情報屋に言われるままにウェインからのメッセージを確認した。
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情報屋とマリーから同じ内容の一斉送信メッセージが送られてきたから、二人と真珠は今、一緒にいると思うんだけど合ってる?
このメッセージは情報屋とマリーの二人に送信しています。
俺、今『ヘヴン島』の闘技場にいるんだけど、バトルが一段落したら港に行ってみる。ワールドクエストは受注済み。
ワールドクエスト、マリーが強制受注していて笑った。
『ヘヴン島』は行きの船は無料だけど帰りの船は乗船するのに金貨10枚要求されるから、NPCを連れてきたらキツいと思う。
プレイヤーは死に戻れば無料で島を出られるから、俺ら、めちゃくちゃ勝ち組。
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「うえー。行きは無料で帰りは金貨10枚とか詐欺すぎる……。全然『ヘヴン』じゃない……」
ウェインからのメッセージを読み終えたマリーはげんなりした。
そしてウェインからの『行きの船は無料だけど帰りの船は乗船するのに金貨10枚要求されるから、NPCを連れてきたらキツい』という情報を一応ユリエルに伝えようと思った。
ユリエルは父親である港町アヴィラの領主が所有する船でヘヴン島に向けて出航するとメッセージに書いていたので、NPCに金貨10枚を要求されることはないかもしれないけれど……。
「ウェインくんからのメッセージと同様に現状、ヘヴン島にいるプレイヤーは結構いるようです。やはり闘技場と花街、カジノがある場所は人気がありますね。行きの船が無料というのもプレイヤーが気軽に向かう理由になっているようですが」
情報屋が自分に届いたフレンドからのメッセージを確認しながら言う。
マリーは他のフレンドからのメッセージを確認することにした。
次は筋肉が自慢のフレンド、バージルからのメッセージを読もう。
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マリー。ワールドクエスト強制受注とかすげえな。
忙しいとこ悪いんだけど、情報屋といつ会えるかわかるか?
今、金欠でさ……。でもオレが『SOS100均ショップ』を使うのはダメらしくてさ。
ビール買いまくっての金欠はサポート対象外らしい。久しぶりに家飲みで友達と飲んでハメ外し過ぎたんだよなあ。
ゲーム内通貨もリアルマネーもヤバいから、できれば情報とか売って手っ取り早く金を稼ぎたいんだ。
よろしくな。
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バージルからのメッセージを読み終えたマリーは情報屋に視線を向けて口を開いた。
「情報屋さん。私のフレンドのバージルさんが情報屋さんに情報を売りたいそうです。金欠なんだって。会ってもらえますか?」
「いいですよ。私もマリーさんや真珠くんとユリエルさんの船に乗せて頂けるのなら、今、マリーさんのフレンドと会います」
マリーの言葉を聞いた情報屋は微笑んでそう言った。
***
紫月22日 昼(3時50分)=5月16日 13:50
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