第三百六十七話 マリー・エドワーズと真珠は教会に死に戻り、ユリエルと合流してイヴから来たメッセージの相談をする
……雨音がする。
マリーは目を開けた。真珠も目覚めてマリーにすり寄る。
部屋の中はとても静かだ。両親はまだ働いているのだろう。
少しぼうっとしていたマリーは、ユリエルと会う約束をしていることを思い出して勢いよくベッドから起き上がった。
「わうー?」
真珠がいきなり起き上がったマリーを見つめて首を傾げる。
「真珠っ。私たち、これから教会に死に戻るからね。ユリエル様と一緒に遊ぶ約束をしたのっ」
「わうわうっ!!」
ユリエルの名前を聞いて、真珠は青い目を輝かせる。
真珠はユリエルが大好きなので、ユリエルと一緒に遊べるのは嬉しい。
マリーはステータス画面を出現させて明かりの代わりにした。
自分の姿を確認すると、ログアウト前と同じ、丸襟のブラウスとキュロットスカートを着ている。
大好きなユリエルに会うのにずっと着続けている丸襟のブラウスとキュロットスカート姿というのは抵抗があったので、マリーはクローゼットにあったシンプルなワンピースに着替えた。
その後、アイテムボックスから木靴を取り出して布のスリッパから木靴に履き替える。
「真珠。着替えが終わったから教会に死に戻るねっ」
「わんっ」
マリーは『ライト』を発動させて魔力枯渇になり、真珠と共に教会に死に戻った。
気がつくと、マリーは教会にいた。真珠も一緒だ。
「ユリエル様に『私と真珠は今、教会にいます』ってメッセージを送った方がいいかな?」
「くぅん?」
マリーと真珠が視線を合わせて首を傾げたその時、可愛らしいハープの音が鳴った。
「ユリエル様からメッセージが来たのかもっ」
「わうわう!! わんわんっ!!」
マリーはステータス画面を出現させて『フレンド機能』をタップし、メッセージを確認する。
メッセージの送り主はユリエルではなかった。
「イヴさんからメッセージ? 一斉送信……?」
マリーが今まで貰ったことがない形のメッセージだ。
以前、ウェインがワールドクエスト『狼王襲来・港町アヴィラ攻防戦』で巨大魔方陣に魔力を注ぐプレイヤーを募る時に、自分のフレンドにメッセージを一斉送信したと言っていたような気がする。
マリーが予想外のフレンドからのメッセージに戸惑っていると、マリーの足元で真珠が吠えた。
「わうー!! わうわう!!」
真珠の呼びかけを聞いたマリーは、真珠の視線の先に目を向ける。
教会に死に戻りしたユリエルがマリーと真珠を見つけて駆け寄ってきた。
「マリーちゃん!! 真珠くん!!」
「ユリエル様!!」
「わうわう!!」
今日もユリエルは麗しい。
マリーは笑顔で、真珠は尻尾を振ってユリエルを迎える。
ユリエルはマリーと真珠に微笑み、口を開いた。
「会えてよかった。今日は一緒に遊べるね」
「はいっ」
「わんっ」
ユリエルの言葉に真珠と共に肯いたマリーは、さっきイヴから貰ったメッセージのことをユリエルに相談することにした。
***
マリー・エドワーズのステータス値の変化
MP 38/38 → MP 0/39
ライト レベル2(140/200)→ ライト レベル2(150/200)
紫月21日 夕方(4時50分)=5月16日 8:50
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