第三百六十五話 5月16日/朝食を食べた後にログインしてGP1を取得し、GP交換リストにタオルとバスタオルが追加されることを知った後にユリエルと情報屋にメッセージを送る



朝食を食べ終えた悠里は、食後のデザートに祖母が皮をむいてくれたりんごを食べて、自分と母親の分の食器を洗った。

その後で洗面所で歯を磨いて髪を梳かし、トイレに行って自室に向かう。


自室に戻り、スマホで時間を見ると8:38だった。


「お腹痛いし、ゲームしようかな」


『アルカディアオンライン』をプレイしている最中は生理による下腹の痛みや腰が重怠く感じることから解放されると知った悠里は小さな声で呟く。

大好きな要にゲーム内でメッセージも送りたいし、早めにログインしよう。


充電していたヘッドギアとゲーム機を机の上に置いていたコードで繋ぎ、ヘッドギアとゲーム機の電源を入れた。

それからヘッドギアをつけてベッドに横になり、目を閉じる。


「『アルカディアオンライン』を開始します」


サポートAIの声がした直後、悠里の意識は暗転した。


気がつくと、悠里は転送の間にいた。

さっき着替えた部屋着姿だ。

お腹は痛くないし、腰も重怠くない。嬉しい……!!


「プレイヤーの意識の定着を確認しました。『アルカディアオンライン』転送の間へようこそ。プレイヤーNO178549。高橋悠里様」


「おはようございます。サポートAIさん」


「おはようございます。高橋悠里様」


「サポートAIさんっ。私、今日、朝ご飯を食べましたっ。GPをください……っ」


「確認します。プレイヤーNO178549。高橋悠里様の脳波確認。確認中……。トゥルース。高橋悠里様にGP1が付与されました。高橋悠里様の現在の取得GPは12GPです」


「ありがとうございますっ。少しずつGPが増えてる。嬉しい」


「5月16日9:00よりGP交換リストにタオル(5枚組)とバスタオル(2枚組)が追加されます。お時間がある時にご確認ください」


「なんでタオルとバスタオルなの?」


「『節約生活ではタオルやバスタオルはごわごわになっても使い続けることがマストだが、洗顔後やお風呂上がりにふわふわのタオルやバスタオルを使うと生きる気力が湧いてくるのでGPでタオルとバスタオルを交換させてほしい』というプレイヤーの意見が一定数を超えたので追加することになりました」


「GPで交換したい物とかリクエストできるの?」


「実現するかはお約束しかねますが、要望を聞くことは可能です」


「そうなんだ……。私は今、すごく欲しい物はないかなあ」


悠里は要とおそろいのグレーの不織布マスクが欲しかったけれど、それはもう買ってもらった。

強いて言うなら現金が欲しい。

ものすごく欲しいわけではないけれど。

そう思いながら悠里は要にメッセージを送るために口を開いた。


「ステータス」


ステータス画面の『フレンド機能』をタップして要の主人公のユリエルにメッセージを記載する。





ユリエル様。私、今ゲームにログインしました。

転送の間にいます。

今日は、情報屋さんに連絡を取って、会えそうなら会って情報を買い取ってもらいたいと思ってます。

ユリエル様と一緒に食べたいなって思っている果物があるので、一緒に食べて貰えたら嬉しいです。





悠里は自分が書いたメッセージを読み直して送信した。

その後、情報屋へのメッセージに『情報を売りたいので今日会えたら嬉しいです。鑑定してもらいたい果物があります。お返事を待っています。よろしくお願いします』と記載して送信した。


***


高橋悠里の取得GP 11GP→ 12GP



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