第三百四十三話 マリー・エドワーズがアーシャに『ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)』を見せたことで真珠のモテ期が終了する



マリーは木皿に盛った料理を食べ終えて木皿をテーブルに置いた。

それからオレンジジュースが入った自分のワイングラスを手にして一口飲む。

アーシャはオレンジジュースを飲んでいるマリーを見つめて口を開いた。


「マリーちゃんは『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』のWPでなにを交換したの?」


オレンジジュースを飲み終え、ワイングラスをテーブルに置いて、マリーは口を開いた。


「私はレーン卿のポストカードを二種類、一枚ずつ交換して、お菓子の詰め合わせを一つ交換して、あとは全部スキルポイントと交換しました」


「フレデリック様のポストカード、ウチは一種類しかリストに出なかったよ。よかったら『ポストカード(緋色のローブを着たフレデリック・レーン)』以外のポストカードを見せてくれない?」


「いいですよ。ステータス」


マリーはアイテムボックスから『ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)』を取り出してアーシャに手渡す。

マリーから受け取ったポストカードを見たアーシャは歓声をあげた。


「わあ!! これ幼少期のフレデリック様!? めちゃくちゃ可愛い……っ!!」


アーシャの『幼少期のフレデリック様』というワードに反応した真珠のハーレム構成員……女子会に参加中のプレイヤーたちは一斉に真珠から離れてアーシャとマリーの周囲に群がる。

突然ひとりぼっちになってしまった真珠はびっくりしてフリーズした。

マリーは自分がアーシャに『ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)』を見せたせいで真珠のモテ期を終わらせ、真珠のハーレムを瓦解させてしまったことを申し訳なく思いながら真珠を見つめて口を開く。


「真珠!! こっちにおいで!!」


マリーの呼び声を聞いた真珠は瞬き、ソファーに座るマリーの元に駆け寄った。

そして真珠はマリーの膝の上に飛び乗る。


「わうー。きゅうん……」


「よしよし。真珠。モテ期が突然終わって寂しかったね。真珠には私がいるよ」


マリーに甘える真珠を優しく撫でてマリーは言う。

アーシャはプレイヤーたちと見ていたポストカードを真珠の前に差し出した。


「真珠くんも美少女なフレデリック様のポストカード、見る?」


「わう!!」


真珠はアーシャが差し出したポストカードを見て、なんて可愛い女の子なんだろうとうっとりした。

マリーは真珠にも『ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)』を見せられて満足する。

アーシャはマリーに視線を向けて口を開いた。


「さすが『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』のワールドクエストを創造したマリーちゃんだよね。レアなポストカードを引き当てるなんて憧れる……っ」


アーシャはそう言いながらプレイヤーたちに見せ終えた『ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)』をマリーに返した。

マリーが『ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)』を左腕の腕輪に触れさせてアイテムボックスに収納した直後、サポートAIの声が響く。


「条件を満たしましたのでワールドクエスト『ウッキーモンキークイーンへの求婚騒動』が発生しました。クエスト受注の操作が必要となります。

プレイヤーは無理のない範囲でご参加ください。

詳しくはステータス画面の『クエスト確認』をご確認いただくか、転送の間でサポートAIにお尋ねください」


新しいワールドクエスト!? 

サポートAIのアナウンスを聞いたプレイヤーたちはざわついた。



***


紫月19日 夕方(4時45分)=5月15日 20:45



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