第三百三十八話 マリー・エドワーズと真珠は教会でアーシャと合流して、真珠は階段に乗り『わおお、わんっ!!=下りON』と吠える



マリーと真珠は無事に教会に死に戻った。

マリーは隣に立つ真珠に視線を向けて微笑み、口を開く。


「真珠っ。教会だよ」


「わんっ」


「領主館から一瞬で教会に着いちゃった。すごいねえ」


「わおんっ」


「真珠。フローラ・カフェ港町アヴィラ支店に行こうね」


「わんっ」


マリーの言葉に真珠は肯いた。

そしてマリーと真珠はフローラ・カフェ港町アヴィラ支店に続く銀色の扉に向かった。


マリーと真珠がフローラ・カフェ港町アヴィラ支店に続く銀色の扉の前に到着すると、銀色の扉の横の壁に寄りかかりながらアーシャが立っていた。

アーシャはマリーと真珠に気づいて笑顔になり口を開く。


「マリーちゃん。真珠くん。女子会に参加してくれるの?」


「はいっ」


「わんっ」


マリーと真珠はそれぞれに肯く。

マリーと真珠が肯いたのを見て、アーシャは口を開いた。


「そっか。よかった。マリーちゃんと真珠くんが来てくれて、声を掛けたメンバー全員が揃ったよ。嬉しい」


「アーシャさんは私と真珠を待っててくれたんですか? ありがとうございますっ」


「わぅわううわううわっ」


マリーと真珠は頭を下げてアーシャにお礼を言う。

アーシャはマリーと真珠の頭を優しく撫でて口を開いた。


「どういたしまして。じゃあ、行こうか」


アーシャはマリーと真珠を促し、銀色の扉の中央に埋め込まれている青い水晶に、左腕の腕輪をかざす。

アーシャが水晶に腕輪をかざすと、扉が開いた。


「ようこそお越しくださいました。聖人様」


中に入ると白いカウンターがあり、そこには白いローブを着た神官がいた。

アーシャはカウンターに歩み寄り、口を開く。


「女子会をする約束をしてるの。行きたいのはプ……じゃなくて聖人NO7539。マギー・ジレンホールのルーム」


「名簿を確認いたしますので、聖人様と聖獣様のお名前を教えて頂けますか?」


「ウチはアーシャ。孤児だから名字は無いよ。一緒にいるのはマリー・エドワーズと真珠だよ」


「アーシャ様、マリー・エドワーズ様、真珠様ですね。……はい。事前に提出された名簿にてお名前の確認ができました。只今、ご案内致します。カウンターから1メートルほど離れて頂けますか?」


神官はそう言うと、カウンターの上に置いてあった銀のベルを手に取った。

アーシャとマリー、真珠はカウンターから距離を取る。


「魔力操作ON。アンロック。聖人NO7539のルームへ」


神官はそう言った後に銀のベルを三回鳴らした。するとカウンターの前に階段が現れた。


「魔力操作OFF。お待たせいたしました。どうぞお進みください」


神官に促されたアーシャとマリー、真珠は階段に乗る。

そして真珠が誰よりも先に口を開いた。


「わおお、わんっ!!」


アーシャとマリー、真珠が乗った階段が下に向かって動き出す。

マリーは真珠に微笑み、口を開く。


「真珠。『下りON』も言えたねっ。すごい……っ」


「えっ。今のって『下りON』なの……?」


マリーは真珠の賢さに感激して激しく拍手し、アーシャは真珠の『わおお、わんっ!!』が『下りON』であることに戸惑う。

真珠は自分が階段を動かしたことを誇らしく思いながら胸を張り、尻尾を振った。


***


紫月19日 昼(3時59分)=5月15日 19:59



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