第三百四話 マリー・エドワーズは真珠が『わうう、わんっ!!=上りON』と吠えて階段が動いたことに感激し、ユリエルにメッセージを送信する
「マリーとマーキースがフレンド登録できてよかったな」
マリーとマーキースがフレンド登録を終えたことを見計らってウェインが微笑んで言う。
マリーとマーキースはウェインに微笑んで肯き、真珠は尻尾を振った。
「じゃあ、商人ギルドに行こうか。マリーも行くだろ?」
ウェインの言葉にマリーは肯いて口を開いた。
「行きたいっ。私、商人ギルドに登録したい。それで砂糖とか買いたいの」
マリーは以前断念した『フレンチトーストの作成』を夢見て、言う。卵とミルク入手の目途が立った今、足りないのは砂糖だけだ。
商人ギルドなら、きっと砂糖の販売もしているはずだとマリーは思う。
薄味、塩味、メシマズな『銀のうさぎ亭』の食生活においしいフレンチトーストを加えたい……!!
マリーがそう言った後、マーキースが口を開いた。
「あたしも商人ギルドでオークションに出す物以外に家から持ち出したものを売りたい」
「マーキースが『あたし』口調だとヤバいな」
ウェインが『晴菜』の口調に突っ込む。
「あっ。そうだよね。じゃあ『ボク』にする。憑依前のマーキースもそう言ってたみたいだし、オネエキャラとか目指してないし」
オネエキャラと聞いてマリーの脳裏にフレンドのクレムの姿が浮かんだ。
男主人公のクレムはマリーのフレンドの一人で『オトメの心』というスキルを取得して『女子キャラ限定』のクエストを受託し、参加したことがある。
イヴは、それを知ってクレムが『オネエキャラ』になったのではないかという疑惑を口にしようとしたが、マリーがそれを止めたことを思い出す。
……そういえば、ウェインはイヴと連絡が取れたのだろうか?
悠里は気になったが、ウェインから話を切り出されない限り、スルーした方がいいかもしれないと思う。
今はマーキースやウェイン、真珠と一緒に商人ギルドに行くことを優先しよう。
マリーたちはウェインの『ルーム』を出て、ウェインが『ルーム』の扉を管理者権限でロックする。
そして、マリーたちは動く階段に乗った。階段に一番に乗り込んだ真珠が意気揚々と吠える。
「わうう、わんっ!!」
すると、階段が上に向かって動き始めた。
真珠の『上りON』はゲームシステムに受け入れられた……!!
「今、真珠は『上りON』って言ったんだね。すごい。真珠!!」
マリーは真珠のテイムマスターとして真珠の賢さが誇らしい。
「今のをくみ取るとかすげえな。『アルカディアオンライン』のゲームシステムがヤバい」
ウェインの言葉にマーキースが肯く。
マリーは動く階段が上がりきる前にユリエルに『マーキースと無事に合流してフレンド登録しました。これから商人ギルドに向かいます。ウェインも一緒です』と記載したメッセージを送信した。
***
紫月3日 昼(3時41分)=5月11日 19:41
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます