第二百八十話 高橋悠里は『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』のWPを交換してログアウトする
「『ワールドクエストポイント交換カタログ』には高橋悠里様の所持WPで交換可能なものだけを表示しています。また、必要WPの他、ワールドクエストの際に条件を満たした場合、入手可能な装備品、装飾品、アイテム等がございます」
サポートAIの説明を聞きながら、悠里は『ワールドクエストポイント交換カタログ』の画面を見つめる。
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ワールドクエストポイント交換カタログ 所持WP184
ワールドクエストポイント交換期間 5月10日から5月20日 24:00まで
交換商品
ゲーム内通貨 1WP=1リズ
スキルポイント1WP=1SP
往復の鳥(フレデリック・レーン宛て/一往復分) 必要WP1
ポストカード(緋色のローブを着たフレデリック・レーン) 必要WP10
ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン) 必要WP100
お菓子の詰め合わせ 必要WP50
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悠里が交換可能なものは、四項目しかないようだ。
ゲーム内通貨とスキルポイントは、詳細を見なくてもいいだろう。
悠里は一番気になる『ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)』をタップした。
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ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)【所持数制限無し/譲渡・売買可】
アイテム/Bランク。
女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーンが描かれたポストカード。
レイチェル・レーンがオリジナルの絵画を『複写師』に依頼して作成したもの。
物憂げなフレデリック・レーンが美しく描かれている。
入手条件
ワールドクエスト『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』を受注してパーティーに『濃い青色のワンピースドレス』を着て出席する。
『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』達成時にフレデリック・レーンとの友好度が80以上である。
交換する【要WP100】/交換しない
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「うわっ。レーン卿、可愛い……っ」
ポストカードのグラフィックを確認したマリーは思わず呟く。
幼少時のはレーン卿が着ているのはマリーが貰った『濃い青色のワンピースドレス』だ。
そして注目すべきは【所持数制限無し/譲渡・売買可】の記載だ。
「これ、売れるっていうこと……?」
情報屋に売ることもできるし、レーン卿ガチ恋勢のアーシャにプレゼントすることもできる。
すごい。でも『要WP100』だから1枚しか交換することができない。
「交換しちゃおうかなあ。可愛いレーン卿、真珠にも見せてあげたいし……」
マリーと真珠は女装したレーン卿の絵を見せてほしいとレーン卿本人に懇願して、断られたことがある。
悠里は迷った末に『交換する』をタップした。
画面が切り替わる。
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『ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)』をプレイヤーNO178549。高橋悠里様のアイテムボックスに送付しました。ステータス画面のアイテムボックスにてご確認ください。
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アイテムボックスを確認しよう。
悠里はステータス画面を呼び出して『アイテムボックス』をタップした。新たな画面が表示される。
『ポストカード(女装して濃い青色のワンピースドレスを着た幼少時のフレデリック・レーン)』はきちんとアイテムボックスに送付されているようだ。よかった。
悠里は『ワールドクエストポイント交換カタログ』の画面に目を向ける。
次は『往復の鳥(フレデリック・レーン宛て/一往復分)』を見てみよう。
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往復の鳥(フレデリック・レーン宛て/一往復分)【所持数制限無し/譲渡・売買不可】
アイテム/Bランク。
宛先が『フレデリック・レーン』に設定された、手紙のやり取りができるアイテム。
『知らせの鳥』の往復バージョン。白い鳩のような姿をしているが鳴かない。
手紙を鳥のくちばしにくわえさせて窓から外に放つとフレデリック・レーンに手紙が届く。
雨や風にも負けずに手紙を運ぶことができる魔道具。
『知らせの鳥』/『往復の鳥』作成は錬金術師ギルド/教会が行っているが、これはレイチェル・レーンが港町アヴィラの錬金術師ギルドに依頼して作成したもの。
この『往復の鳥』で『フレデリック・レーン』に手紙を出すと1回につき『フレデリック・レーン』の友好度が5上昇する。
この『往復の鳥』は『フレデリック・レーン』が手紙を受け取った後に3日経過すると消滅する/『フレデリック・レーン』が手紙を受け取らなかった場合は1週間で消滅する。
『フレデリック・レーン』が手紙を受け取るかは貴女と彼の友好度次第。
『フレデリック・レーン』から返事が来るかは手紙の内容次第です。
入手条件
ワールドクエスト『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』を受注してパーティーに出席し、パーティー開催中に『フレデリック・レーン』と一度以上会話をする。
交換する【要WP1】/交換しない
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「このアイテムは……別にいらないかなあ……」
悠里は内容を確認して呟く。
悠里は『港町アヴィラ領主の感謝状』を所持しているのでいつでも……夜や真夜中以外に……港町アヴィラの領主館に出入りすることが出来る。
レーン卿に用事がある時は港町アヴィラの領主館を訪ねた方が早いし、面倒くさくない。
「次は『ポストカード(緋色のローブを着たフレデリック・レーン)』を見てみよう」
悠里は『ポストカード(緋色のローブを着たフレデリック・レーン)』をタップした。
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ポストカード(緋色のローブを着たフレデリック・レーン)【所持数制限無し/譲渡・売買可】
アイテム/Bランク。
緋色のローブを着た現在の(21歳の)フレデリック・レーンが描かれたポストカード。
レイチェル・レーンがオリジナルの絵画を『複写師』に依頼して作成したもの。
微笑みを浮かべたフレデリック・レーンが美しく描かれている。
入手条件
ワールドクエスト『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』を受注してパーティーに出席する。
交換する【要WP10】/交換しない
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「うーん……。欲しいけど『要WP10』は高い……? スキルポイントを10貰った方がいい気がする……。でも、ここでしか入手できないアイテムだったらレアだよね……」
悠里は迷った末に『交換する』をタップした。
画面が切り替わる。
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『ポストカード(緋色のローブを着たフレデリック・レーン)』をプレイヤーNO178549。高橋悠里様のアイテムボックスに送付しました。ステータス画面のアイテムボックスにてご確認ください。
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アイテムボックスを確認しよう。
悠里はステータス画面を呼び出して『アイテムボックス』をタップした。新たな画面が表示される。
『ポストカード(緋色のローブを着たフレデリック・レーン)』はきちんとアイテムボックスに送付されているようだ。よかった。
「残りのWPは74だね」
悠里はそう呟きながら『ワールドクエストポイント交換カタログ』の画面に目を向ける。
次は『お菓子の詰め合わせ』を見てみよう。
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お菓子の詰め合わせ【所持数制限無し/譲渡可・売買不可】
パーティー終了時に招待客に配られたお菓子の詰め合わせ。
『綺麗で可愛くておいしいお菓子をもっとたくさん食べたい!!』という貴女に。
入手条件
ワールドクエスト『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』終了時に招待客へのお土産の『お菓子の詰め合わせ』を受け取る。
交換する【要WP50】/交換しない
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「これは交換でしょう……っ」
悠里は即決で『交換する』をタップした。画面が切り替わる。
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『お菓子の詰め合わせ』をプレイヤーNO178549。高橋悠里様のアイテムボックスに送付しました。ステータス画面のアイテムボックスにてご確認ください。
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悠里がアイテムボックスを確認すると『お菓子の詰め合わせ』が送付されていた。
「残りWPは24か。全部スキルポイントと交換しよう」
悠里が交換を終えると、ステータス画面のスキルポイントは94Pになった。
「スキルポイントが少し貯まって嬉しい……っ」
そう言った後、悠里は伸びをした。
『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』のWP交換で、たいぶ時間が経ってしまった気がする。
寝不足にならないためにも、そろそろログアウトした方がいいだろう。
「ワールドクエストポイントの交換も終わったし、今日はこれでゲームを終わりにします」
「高橋悠里様。お疲れさまでした」
「サポートAIさんもお疲れさまでした。ログアウト」
悠里の意識は暗転した。
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マリー・エドワーズの現在のスキルポイント 70P→94P
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