第二百十話 5月9日/高橋悠里は幼なじみの彼からのメッセージを確認する
自室に戻った悠里はパジャマを脱いで部屋着に着替え、それから脱いだパジャマを持って部屋を出る。
一階に行き、脱いだパジャマを洗濯カゴに入れた後、トイレに行ってから自室に向かった。
「あ。そうだ。藤ヶ谷先輩とはるちゃんからメッセージ、来てるかな?」
悠里は自室に入るとスマホを置いていた机の上に向かう。
スマホに表示された今の時間は7:58だった。
メッセージが三件来ている。
要と晴菜、それから圭だ。
「圭くんからメッセージが来てる。なんだろ……?」
以前、マリーがワールドクエスト『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』を創造したというアナウンスが流れた時にメッセージをくれたウェインに、ワールドクエスト創造の情報を情報屋に売るつもりだというメッセージを送ったきり、悠里は圭とやり取りをしていない。
悠里は圭からメッセージを確認しようとスマホをタップした。
圭からメッセージがスマホの画面に表示される。
♦
悠里。マリーの借金クエストってどうなってる?
俺、多少ならゲーム内通貨を貸せるから、困ってるなら相談して。
♦
「圭くん。マリーの借金クエストのこと、気にかけてくれていたんだ……」
悠里は幼なじみの圭の優しさが嬉しくて微笑む。
そして、心を込めて圭へのメッセージを書いた。
♦
圭くん。マリーの借金クエストのことを気にかけてくれてありがとう。
いろんなプレイヤーやNPCに協力してもらって、なんとか達成することができたよ。
はるちゃんも『アルカディアオンライン』を始めたし、時間が合ったらまた一緒に遊ぼうね。
♦
悠里は自分が書いたメッセージを読み直して、圭に送信した。
もしかしたら圭はもう『アルカディアオンライン』を始めてしまっているかもしれない。
……すでにログイン制限時間に引っかかってるとかは、無いよね?
夜中の0時から朝の6時までプレイしてしまえば、もう、今日『アルカディアオンライン』をプレイすることはできない。
熱心に『アルカディアオンライン』をプレイしている圭なら、昨日の夜中から今日の明け方までぶっ通しでゲームで遊び続けている可能性がある……。
「……次は、はるちゃんからのメッセージを確認しよう」
悠里は圭のことを考えるのをやめ、晴菜からのメッセージを確認することにした。
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