第二百十話 5月9日/高橋悠里は幼なじみの彼からのメッセージを確認する



自室に戻った悠里はパジャマを脱いで部屋着に着替え、それから脱いだパジャマを持って部屋を出る。


一階に行き、脱いだパジャマを洗濯カゴに入れた後、トイレに行ってから自室に向かった。


「あ。そうだ。藤ヶ谷先輩とはるちゃんからメッセージ、来てるかな?」


悠里は自室に入るとスマホを置いていた机の上に向かう。

スマホに表示された今の時間は7:58だった。

メッセージが三件来ている。

要と晴菜、それから圭だ。


「圭くんからメッセージが来てる。なんだろ……?」


以前、マリーがワールドクエスト『鑑定師ギルドの副ギルドマスターの恋人選定パーティー』を創造したというアナウンスが流れた時にメッセージをくれたウェインに、ワールドクエスト創造の情報を情報屋に売るつもりだというメッセージを送ったきり、悠里は圭とやり取りをしていない。

悠里は圭からメッセージを確認しようとスマホをタップした。

圭からメッセージがスマホの画面に表示される。





悠里。マリーの借金クエストってどうなってる?

俺、多少ならゲーム内通貨を貸せるから、困ってるなら相談して。





「圭くん。マリーの借金クエストのこと、気にかけてくれていたんだ……」


悠里は幼なじみの圭の優しさが嬉しくて微笑む。

そして、心を込めて圭へのメッセージを書いた。





圭くん。マリーの借金クエストのことを気にかけてくれてありがとう。

いろんなプレイヤーやNPCに協力してもらって、なんとか達成することができたよ。

はるちゃんも『アルカディアオンライン』を始めたし、時間が合ったらまた一緒に遊ぼうね。





悠里は自分が書いたメッセージを読み直して、圭に送信した。

もしかしたら圭はもう『アルカディアオンライン』を始めてしまっているかもしれない。

……すでにログイン制限時間に引っかかってるとかは、無いよね?

夜中の0時から朝の6時までプレイしてしまえば、もう、今日『アルカディアオンライン』をプレイすることはできない。

熱心に『アルカディアオンライン』をプレイしている圭なら、昨日の夜中から今日の明け方までぶっ通しでゲームで遊び続けている可能性がある……。


「……次は、はるちゃんからのメッセージを確認しよう」


悠里は圭のことを考えるのをやめ、晴菜からのメッセージを確認することにした。





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