第百八十七話 マリー・エドワーズは情報屋からのメッセージを読み、ユリエルと真珠と一緒に情報屋に会いに行く



マリーはステータス画面を表示させてメッセージを確認した。

メッセージの送り主は情報屋だ。

マリーは情報屋からのメッセージに目を通す。





マリーさん。ご連絡ありがとうございます。

私の依頼を達成してくださったことに感謝します。マリーさんのフレンドの同席は構わないのですが、今、クレムくんとの商談中なのです。


クレムくんはマリーさんとマリーさんのフレンドとの同席を許可してくださっているので、それで構わなければ今から私のルームにいらしてください。

都合が悪いようならメッセージをお願いします。





マリーは情報屋からのメッセージを読み終えて画面を消した。

ユリエルと真珠はマリーがメッセージを読み終えたことに気づいて、彼女に視線を向ける。

マリーはユリエルと真珠に情報屋からのメッセージ内容を伝えた。


「クレムは信頼できるフレンドなので、同席してもいいかなって私は思ってるんですけど……」


「わんわんっ」


真珠は尻尾を振って肯く。真珠もクレムのことは信頼できると思っている。


「マリーちゃんと真珠くんが良いなら、俺もそれでいいよ」


「ありがとうございますっ」


「わうんっ」


ユリエルはマリーに優しく微笑み、真珠の頭を撫でた。

真珠は気持ちよさそうに青い目を細める。

マリーはユリエルと真珠が仲良くしてくれて嬉しい反面、ほんの少し寂しい気持ちになった。

マリーはそんな自分の気持ちを振り払うように明るく笑い、立ち上がる。


「じゃあ、みんなで今から情報屋さんに会いに行きましょうっ」


マリーの言葉にユリエルと真珠は肯いた。


マリーはカウンターで自分の会員カードを返してもらい、情報屋のルームに行きたいと告げる。

ユリエルは真珠を抱いてマリーの様子を見守った。

神官に情報屋のルームに続く階段を出現させてもらい、マリーはそっとユリエルの表情を窺う。

ユリエルは突如、カウンター前に現れた階段に目を輝かせていた。

マリーと真珠はユリエルの子どもらしい素直な表情にほっこりして、視線を合わせて微笑んだ。


階段をエスカレーターにして、階下に到着する。

ユリエルは階段が動いたことに驚き、楽しげに周囲を見回していて、マリーと真珠を温かな気持ちにさせた。


マリーは正面の壁にある扉を開け、ユリエルと真珠はマリーの後に続く。

ルームのソファーに座っていたクレムはマリーと真珠に手を振り、情報屋は立ち上がり、マリーたちを歓迎して微笑んだ。


***


若葉月22日 早朝(1時09分)=5月8日 16:09



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