第二話 高橋悠里は『アルカディアオンライン』の会員登録に惑う
夕方。
時計の針は午後5時28分をさしている。
本当なら、音楽室で吹奏楽部の部活動をしている時間だが、新型コロナの影響で部活動の時間は短縮されている。
帰宅し、手洗いとうがいを終え、制服から部屋着に着替えた悠里は自分のノートパソコンを起動した。
検索サイトで『アルカディアオンライン』『VRMMO』と入力して検索する。
「あ。公式サイト発見」
サイトの安全性を確認した後、アクセスする。
「わあ。洋風ファンタジーの世界っぽい!! 綺麗……!!」
ゲームタイトルが美しいロゴで表示され、剣士、騎士、狩人、神官、魔術師が鮮やかに描き出される。
このゲームで遊ぼう。
『アルカディアオンライン』の美麗なグラフィックに一目ぼれをした悠里はゲーム内容を確認せずに即決した。
ゲームタイトルが表示された後に『基本無料』と大きな字で記載されていたことは確認したのでとりあえず今は、十分だろう。
面白いゲームはネタバレ無しで遊ぶ方が良いもん。
とにかく、遊ぼう。遊んでみよう。
「どうやったら遊べるのかな……?」
公式サイトを眺めていると『アルカディアオンラインをプレイする』という項目を見つけた。
クリックすると『アルカディアオンラインをプレイするには会員登録が必要です。会員登録画面に進みますか?』という表示が現れた。
悠里は『はい』を選択する。
会員登録画面になった。
「本人か代理人を選択? 私がゲームで遊ぶんだから本人でいいんだよね」
悠里は『本人』を選択した。
続いて氏名と生年月日、それから住所を記載する。
「ゲーム機材送付先住所? ああ。住所と同じなら空白でいいんだ」
続いて、連絡先電話番号とメールアドレスを記載する。
「次は本人名義の銀行口座情報。えっ!? 銀行口座!? なんで!?」
悠里は混乱した。
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