05
先程の宣言通り、生徒の通学路が近くなって瑞樹と凛華は一度別れた。凛華は相変わらず寂しそうにしていたが…。
結局そのまま学校に行き、クラスに向かうと高校で俺の唯一の親友である
「瑞樹おはよう!相変わらずパッとしないねぇ〜」
「うるせ〜、余計なお世話だよ!」
「もう少しちゃんとしたご飯を食べるだけでも変わると思うけどなー。」
「はっ、俺はちゃんとした“弁当”を食ってるよ。」
「“コンビニ弁当“だろ?」
「弁当に違いはない、だろ」
「…はぁ〜」
「古宮くん…そんなことはありませんよ。コンビニ弁当というものは栄養よりもおいしさを詰め込んだようなものですから。
あっ挨拶が遅くなりました。お話しするのは初めてですね。新城凛華です。おはようございます、工藤さん。」
『こうして唐突に話に入ってきたのはみなさんご存知この物語のヒロイン新城凛華である。』
「あ、うん。おはようございます。」
「ちょっと新城、こっち来い!」
「はい、わかりました♪」
俺は、たまらなくなって新城を廊下に連れ出して話を聞いたが、なんと話しかけてきた理由は…
「だってあんなにも不健康な生活を聞かされたら気になりますよ!」
(それに古宮くんが体調を
とのことだった。
「というわけで、今日からご飯は私が作りますから、今日を機に健康な生活を送ってください!」
「いや、いいy…」
「なにも良くありませんから。それと古宮くんに拒否権はありませんから。」
「あ、はい」
「よろしい♪じゃあ今日のお昼休みは屋上に来てくださいね!」
「わかった。っそうだ!学校であんまり話しかけないでくれ。おまえはただでさえ可愛いんだからいつか俺が刺されかねない。」
ここまで言ったところで、新城の顔がリンゴのように紅くなった。
「わかりました‼︎でもそういうことは他の女子には言ってはダメ、ですからね!」
そう言って新城は教室に全力で走って行った。
『この日、(森の聖女が御乱心だ!)という校内ニュースが流れたとか流れてないとか…。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「なあ瑞樹、おまえ一体なにしたんだよ。」
「なんのことだ?」
「さっきから聖女様が顔を真っ赤にしてチラチラとお前のことを見ているんだが。」
「知らん」
「本当か?」
「知らん」
「まあいいや、何か進展があったら教えろよ?面白そうだから!」
『瑞樹よ、おまえの平穏な日常は壊れつつあるぞ。頑張れ若人よ。私は応援しているぞ!』
「うるせっ進展なんかねえよ、勝手に想像すんな!」
「まあ、いいけど。すぐにそうも言ってられなくなると思うな〜」
そうやって楽しそうに笑う拓実の顔が妙に頭から離れなかった。
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