04

昨日凛華が眠ったあと、俺は家にかえり、予定通りアニメを見て寝た。

だが、どこかすっきりしないまま朝を迎えていた。

 朝ごはんに適当にパンでもかじろうと冷蔵庫を開けたのだが、残念ながら冷蔵庫にはお茶しか入っていなかった。

仕方がないと思い直して朝食を抜くことにした。…のだが。


 [ピンポーン]


 「こんな朝っぱらからだれだ?」


 ガチャ


 「おはようございます♪」

 「おはよう。なにしに来たんだ?」

 「昨日はありがとうございました。今日は朝ごはんを作りに来ました!」

 「なぜだ⁉︎唐突だなぁ」

 「古宮こみやくんのことですから、どうせまともなご飯も食べてないんだろうな〜って思いまして。」

 「ひで〜。ま、その通りなんだけど。」

 

 凛華は、輝くような笑顔で手をパンッと叩いてから「ご飯を作ってきましたから、よければ食べてください!」

とタッパーに入ったご飯を渡してきた。


 「確かにうまそうだけど、本当にもらってもいいのか?」

 「もちろんです。そのために作ってきたんですから、ちゃんと食べてくださいね。あ、それと…。」

 

 なんか凛華が恥ずかしそうに(もじもじ)しているが…。


 「お、」

 「お?」

 「お弁当を作ってきたので今日は一緒に食べますよ‼︎」

 「お、おう…俺に拒否権はないのな。」

 「あ、す…すみません。嫌でしたか?」

 「いや、そうじゃない。作ってくれたのは嬉しいし、ありがたいとは…思うんだけど……。ほら、おまえって可愛いじゃん?そんなやつと一緒に食べたら、嫉妬に俺が殺されそうだなと思ってさ。」

 

 あぶねぇ〜断ろうと思ったら、急に目をウルウルさせてくるし、なんだよあれ、可愛すぎません?そんなことされたら、断れねーじゃん!


 「だからその、あれだ、どこか別のところで食べよう。」

 「あ、はい!じゃあ一緒に食べましょう!」

 「え?今から?」

 「はい」


 『前回のシリアスはどこへやら。唐突にお花畑に足を踏み入れる2人であった。』


 「じゃあそろそろ学校に行きましょうか。」

 「そうだな、だいたいいい時間になってきたな。」

 「じー…。」

 「口でその言葉を言うやつ、はじめて見た。それで?どうかしたのか?」

 「いえ、一緒に食べるのはだめなのに一緒に登校するのはいいんだなと思いまして。」

 「んん、途中までは一緒に行こう。みんなの通学路になったら離れようか。」

 「むぅ〜言わなければよかったです。」

 

 あぶないあぶない、気づいてなかった。凛華には感謝だな。


 「じゃあ行こうか。」

 「はい」


 『慎重なのか雑なのかよくわからない瑞樹だった。』

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