第9話

「はっ! はっ! はっ! はっ------!」


セゲナは、目の前の山に向かってひた走る!


「("テニス仙人"------)」


"テニス仙人"


セゲナの恋愛物質感知器が捉えた信号から


その、"テニス仙人"の


存在が浮かび上がってくる----


「("江戸でも三代続けば老舗だよ")」


「はっ! はっ はっ はっ------!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「(こ、ここが-----)」


セゲナが暗い夜道を二分程走ると、


そこには、大きな岩がたくさん見える


山の山頂が見える


「(こ、ここに、


"テニス仙人"


が------?)」


「・・・よく来たな」


「!」


「お前が来るのを待っておったぞ・・・」


「あ、あなたは?」


突然、大きな、


セゲナの身の丈(たけ)の二倍ほどありそうな


岩場の上に座っていた人影が、


岩の下にいるセゲナに向かって話し掛けてくる


「ワシは-----


"テニス仙人"じゃ」


「テ、テニス仙人-----?」


「・・・・」


「・・・・?」


白い、ローブの様な服を着た老人は


岩場の上から夜空に瞬(またた)いている


星空を見上げる--------


「・・・お前の父、


リヒヤルト・アインシュタインも


若い頃はここでよく


修行をしておったものじゃ----?」


「と、父さんを知ってるの?」


「・・・・」


"ニコリ"


「・・・・!」


テニス仙人は、セゲナに向かって


大きな笑顔を浮かべる


「お前の父、アインシュタインが開発した


その、"恋愛物質感知器"-----」


「・・・・」


セゲナは、手に持っている水晶玉に目を向ける


「お前は、その、恋愛物質感知器が発する


"恋愛信号"を受け取り、


この山の中まで来た------


違うか?」


「(こ、この人----!)」


【ズドンッ!】


「!!?」


突然、老人が立っていた大きな岩の上から


三メートル程下にいた


セゲナの所まで飛び降りてくる!


「--------な...、」


"ニッコリ"


「・・・・!」


セゲナに向かって


老人が満面の笑みを浮かべる


「な、なに-----」


"スッ"


「("ラケット"----?)」


「お前がその、恋愛物質感知器が捕らえた


"信号"を、キャッチしたいのなら-----」


「-----!」


「見事、この"ワシ"を倒してみせよ!?」


「-----!?」

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