第10話

"ズドンッ!"


岩場の上から舞い上がった


"テニス仙人"が反対のコート上にいる


セゲナに向かって強烈なスピンが掛かった


スマッシュを浴びせる!


【ズドドンツ!】


「(か、"勝て"ない-------)」


「・・・・・」


"ドサッ"


そのまま、セゲナは岩だらけの地面に倒れ込む


「ほっ ほっ ほっ------」


「(------....)」


薄れていく意識の中で、


反対のコートに立っている老人が


何かを呟いてくるのが聞こえてくる


「------小娘。


お前の腕では、


 このワシに勝つことはできぬ-----。」


「(・・・・!)」


「そもそも、お前の腕で


ワシに勝負を挑む事自体が


大きな、"間違い"だったのじゃ-----」


「あ、あ...」


"ザシャッ"


倒れているセゲナに向かって


テニス仙人が、ラケットを大きく振りかぶる


「(だ、"ダメ"-------!)」


「死ねィ セゲナよ!」


「(や、やられる-----!」


「ビュンッ!」


「!!?」


「---------、」


テニス仙人がラケットを


振り下ろしたと思った瞬間、


「待てィ!」


「!!?」


「(だ、誰-----?)」


「貴様の好きにはさせんぞっ!?」


「な、何奴じゃ!」


「(-------?)」


すでに意識を失いかけている


セゲナの耳に、


"声"


が聞こえてくる-------!


「この様な山の中、


いや、山奥で、


しかも、警察や、


他の男性、そして女性が周りにいない状態で


女性を襲うとは・・・!」


「-------!」


テニス仙人が突然現れた男に対して


ラケットを身構える!


「・・・許さんッ! 許さんぞ!?」


「(だ、誰なの-----?)」

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