第12話 大山の仕事
大山
「課長、只今戻りました! 朗報でっせ! 必要な物全部売ってましたわ! 早速準備しますんで!」
大山は低い円卓の上に
大山
「後はこの鍋に水差しの水を入れて、マリベル海藻と片栗粉入れてや、片栗粉はちょっとずつやで」
マリベル
「大山さん意外ですね、料理するなんて」
大山
「マリっぺは後でな」
大山は鍋をかき混ぜながらマリベルに耳打ちした。
マリベル
「ちょっと止めて下さい! 後、変な呼び方しないで!」
大山
「そしたらこの容器に入れて後は冷めるのを待つだけや。マリベルの部屋使わしてもらうで! ワシの仕事場にするさかい」
マリベル
「勝手に決めないで下さい!」
大山はにんまりと嬉しそうな顔で出て行った。
深澤
「マリベル何買ってきたんだ?」
マリベル
「焜炉、鍋、菜箸、海藻、片栗粉、小瓶、後はバスタオル、スポーツブラとパンツと白衣」
深澤
「そ、そうか、まあ大山を信じよう、あいつは頼りになるからな」
マリベル
「?」
大山
「よっしゃ! 後はお客様や!」
白衣に着替えた大山は1階の酒場に下りると10席程のテーブルは冒険者達で埋まっていた。それなりに繁盛しているようだ。店主と大山は目が合ったが、店主は直ぐにその目を逸らした。
大山は酒場を見回して、若い戦士風の女を見つけると、にやりと笑みを浮かべ、その隣の年老いた魔法使いらしき男に声を掛けた。
大山
「只今二階の部屋にて本格的マッサージを施術していますが如何でしょうか? 料金の方は30分銀貨3枚となります」
~30分後~
魔法使いの老人は酒場で大山のマッサージを絶賛していた。すると今度は戦士風の中年が向こうから大山に声を掛けて来た。
大山
(よっしゃ! やっぱり当たりや! ダンジョンの近くの宿屋だから皆疲れてると思うたんや! 思うた通りや! さ、頑張るでえ!)
~30分後~
中年の戦士は酒場で大山のマッサージを絶賛していた。
大山
(お客様も喜んでくれてはる! 順調や! この調子で行くで!)
大山は満面の笑みで若い戦士風の女に声を掛ける。
「お客様も一度如何でしょうか?」
戦士風の女
「じゃあ私も1回お願いしちゃおうかな」
大山
(よっしゃ! やったで!!)
大山は戦士風の女を連れ、部屋へ入るとスポーツブラとパンツとを渡し風呂場で着替えるように促した。
大山
「そうしたらベッドでうつ伏せになって下さい」
大山は小瓶を手に取ると自分の両手に掛けて
足首から脹ら脛にかけて丹念に揉み始めた。
戦士風の女
「何かヌルヌルして気持ちいいですね」
大山
「自家製のオイルなんです。お肌もつやつやになりますよ、全身に掛けていきますね」
大山はオイルを背中に垂らすと彼女の肌に満遍なく塗り付けリズミカルに指圧していく。
大山
「失礼します」
大山は彼女の引き締まった太股から弾力的な臀部にかけてじっくりと揉み始めた。
戦士風の女
「な、何か変な感じですね」
大山
「慣れないと
大山はオイルを手に足すと足首から脛にかけて軽やかに手を滑らしていく。
大山
「それではウエストの施術に参りますね。痩せる効果もありますから丹念に行いますね」
大山は両手で掴むように腰から胸の下にかけて撫で滑らしていく。その指先は少しずつ少しずつ上に上がっていく。
大山
「今、老廃物をリンパ腺に流してますのでウエストがスッキリしますよ」
大山の指先がするりとスポーツブラの中に滑り込む。
戦士風の女
「ち、ちょっとそこは」
戦士風の女は照れ笑いをしながら胸を押さえた。
大山
「大丈夫ですよ」
そう言いいながら大山は胸を押さえる手を優しく退かし、腰から胸にかけて滑らすように撫で擦っていく。
大山
「それではバストの形を整えていきますね。失礼します」
大山はスポーツブラを上に捲るとその膨らみにオイルを垂らし、円を描くように乳房を直接揉んでいく。戦士風の女は人差し指の付け根を噛み、窓の方をずっと見ている。
大山
「それでは下の方の施術に参りますね。一番大きな筋肉ですから疲れも溜まりやすいんですよ。それでは失礼します」
そう言いいながら大山は脚を開いて太股から鼠径部にかけて滑らすようにじっくりと撫でていく。
戦士風の女
「うぅ」
我慢出来なくなり声を漏らす彼女に、大山は大丈夫ですよと優しく言いながら施術を続けていった……
~1時間後~
戦士風の女は何も言わず浴びるように
大山
「じゃんじゃじゃーん! 本日の成果です!」
戻って来た大山は上機嫌で銀貨9枚を低い円卓の上に転がした。
深澤
「凄いじゃないか大山、流石だな」
大山
「お客さんの評判も上々ですし安定して稼げると思います!」
(今の課長の言葉気持ちええ! もう一個頂戴!)
深澤
「大山がいて助かったよ、頼りにしてるからな」
大山
「はい! ワシに任せて下さい!」
(もうお腹一杯や! 最高や! 今日は最高の日やで!)
深澤
「マリベル、俺にも出来そうな仕事はあるか?」
マリベル
「ちょっとした依頼なら酒場で張り出してるけど殆ど雑用仕事しかないかな。ギルドからの依頼なら種類も沢山有りますけど」
深澤
「ギルドの依頼って何か難しそうだな」
マリベル
「難しいのも勿論有るけど、簡単な物も有りますから。もう少し詳しく言うと、王宮には王宮騎士団と宮廷魔導師団が有って各町にギルドとして支部が有ります。戦士ギルドでは主にモンスター退治と罪人の捕獲。魔術師ギルドでは魔法薬の材料の収集とダンジョンの調査の依頼がよく出されています。」
深澤
「じゃあ魔術師ギルドで探してみようかな、俺レベル低いからモンスター退治とか無理だし」
大山
「課長もでっか? せや、マリベルワシのステータス見てや、Gって何なん? 後レベル0ってあり得るのけ?」
マリベル
「上級鑑定呪文LEVEL-1」
「全部最低ランクですね、まあ仕方のない事ですけど」
(!!!……これって…)
大山
「ワシだけやないで! 課長も一緒なんやから言葉に気付けや! こんなん直ぐ1000まで上げたるわ!」
マリベル
「そ、それは無理ですね、伝説の勇者レベルで200ですよ」
深澤
「マリベル、レベルについて少し教えてくれ」
マリベル
「えっと、一般的には人間はレベル0から200。記述では精霊は人間のレベル1000相当まで、天使、悪魔は人間のレベル5000相当まで上がると言われています。能力補正値は一般的には人間はCまで記述では精霊でBまで天使、悪魔はAまで上がるとなっています。能力補正値はレベルに応じてレートが上がります。能力補正値の差は2倍です」
深澤
「大山、ざっくり言うと精霊は人間より70倍は強い、天使、悪魔は700倍は強い。分かったか?」
大山
「分かりました」
(早や!課長ホンマ早いわ、そろばん習ってたんやろか? ん、人間のレベル200としても精霊レベル1000やから5倍、能力補正値差が2倍やから10倍違うんけ? 天使、悪魔も100倍やんけ。間違えとるやん、でも言うたら怒るかも知れんし)
大山
「あの、課長、精霊10倍、天使、悪魔100倍違うんですか?」
深澤
「大山! 体力、魔力、筋力、素早さ、物理攻撃力、物理防御力、魔法防御力、の7通りあるんだ、掛ける7だろ! 分かったか!」
大山
「すいません」
(絶対そろばん習っとるわ)
マリベル
「じゃあ明日は魔術師ギルドに行くということでいいですか?」
深澤
「頼む、因みに魔法は覚えられるのか?」
マリベル
「魔法を覚える事はあまりおすすめはしませんけど、まず今の深澤さんだと無理ですね。契約以前に実績がないから申請が通らないです」
深澤
「実績があれば契約出来るのか?」
マリベル
「契約にはその人の属性が関係してるの、でもある程度、力がないと駄目です」
深澤
「ステータスに属性なんて項目ないぞ」
マリベル
「あくまで精霊との相性なんで思考とか声や容姿なんかを
大山
「ワシも描いてええ?」
大山は太陽と海を描いた。
深澤
「何でもいいのか?」
マリベル
「大丈夫ですよ」
深澤は猫型ロボットの顔を描いた。マリベルの目が一瞬大きく開く。
大山
「課長、上手いじゃないですか、でもワシも上手いでっせ」
マリベル
「もう! ふざけるのは無しですよ!」
そう言いながらマリベルはじっと深澤を見ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます