第8話 どうやって
「レシートの金額と、財布に残ったお金の計算も合ってるし……」
麻子は
レシートの預かり金額は二千円。支払いは現金だ。把握していたおおよその財布の中身から二千円を差し引けば、手元にある紙幣の数と計算が合う。
「だけど……」
圭吾も麻子と顔を見合せたきり、二の句が継げずにいるように瞬きをゆっくり二回した。
「問題は誰がじゃなくて、どうやってだろう?」
バッグから財布を持ち出して、コンビニのレシートごとバッグに戻された。
コンビニで買ったと思しきビールを麻子の自宅のリビングで呑み、缶だけ放置して立ち去った。
麻子の身に起きた現象に、合理的な解釈や説明が誰にもできない。
警官も麻子と圭吾も、互いの顔を見つめ合う。
「すみません。家の中にはもう誰もいないので、盗られた物がないかどうか、確認して頂けますか? 私達は玄関先にいますから」
開かれたドアから若い警官が顔を出し、恐縮したように麻子に向かって頭を下げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます