第8話 思い出に咲く
君は専門学校を卒業して社会へ出て、素敵な大人になったね。
夢を追い、遠い場所を目指す君の姿が眩しくて、ほんの少しやせ我慢をして応援してた。夢が破れた瞬間もあったし、別の夢が叶った瞬間もあった。どんな時でも前を向いて歩き続ける君は、いつでも僕らの誇りだ。
君が一人暮らしを始めてから、物理的にも精神的にも距離ができたようで少しだけ淋しく思う。
あの時君が作ってくれたのは、
家まで持って帰ったから、僕は自分のための
君の瞳には見えていたりするのだろうかと、聞いてみたくもあったけれど。結局、勇気は出ないまま。
貴女と同じに優しくて、可憐に咲いた僕らの娘。
あの
結婚の挨拶だって言っていたよ。
あの
お互いに、大事にしあえる相手に出逢えたようだ。
幸せそうに微笑むあの
ほんの僅かな淋しさ抱え、あの
ねぇ。今くらい、貴女の声を聴かせてほしい。
お願いだから、もう一度。
叶わぬ願いは夜に溶けて消えていく。
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