第065話 組合は迷探偵も驚く黒い組織?
「はぁあああああああああ!?朱島ダンジョンを閉鎖ぁあああ!?」
俺は次の日、アキからの言葉聞いて心の底から驚いた。
なんであんなにも美味しいダンジョンを閉鎖するんだぁ?
「なんでも中にはかなり危険な魔物が居て、Sランク探索者でも危険な未知のモンスターが存在していたということで組合が正式に閉鎖を決めたらしい」
はぁあああああああああああ!?そんな魔物見かけなかったぞぉ!?
中で俺達が出会ったのはボーナスモンスターと超ボーナスモンスターだけだった。
まさか、あんな美味しい狩場を組合が独り占めする気なのか?
やはり本当に美味い狩場は国が独占してしまうのだろうか。
くっ、探索者組合は黒い組織だったのか……。
まぁでも、確かにあんな狩場を公開したら探索者が皆あのダンジョンに集まってもおかしくないしなぁ。他のダンジョンのモンスターを放置すれば氾濫を起こして町や人に被害が出る可能性もあるから、そのまま公開するのは難しいのかもしれない。
独占することには違いないけど!!
いや、その未知のモンスターに偶然俺達が合わなかったという可能性があるな。ふぅ……助かったな。そんなモンスターに俺達が出会っていたら、瞬殺されていたと思う。
やっぱり俺って運が良すぎるな、探索者適性以外は。
「それで、その未知のモンスターがダンジョンから出てきたりしないのか?」
「なんでも今度日本中のSランク探索者を集めて討伐作戦を行うらしい」
なるほどな。
確かにSランク探索者が総出でかかれば、その未知のモンスターもどうにかできるに違いない。ただ、それだけの作戦となれば、今まで以上に沢山の選ばれた高ランク探索者が集まってくると思う。
そうなると流石に影も探知されてしまう可能性があるから、その作戦が終わるまでは朱島ダンジョンに行くのは止めておいた方がいいかもしれないな。
でも、もう最終階層まで踏破したし、朱島ダンジョンにはしばらく行かなくてもいいかな。ボーナス魔石もめちゃくちゃ稼いだことだし。今度こそDランクダンジョンを考える時期だ。もう一度シアに提案してみよう。
「さて、そろそろ学校に行くか」
「そうだな」
俺たちは話を打ち切って準備をして学校に登校した。
「シア、聞いたか?」
「ん。朱島ダンジョン討伐作戦」
「だなぁ。しばらく行かない方が無難だろ」
「ん」
お昼になり、俺はシアに耳打ちすると、彼女は頷いた。彼女も見つかるリスクが跳ね上がることに気付いていた。
「相変わらずお熱いこって」
「だから違うって言ってんだろ」
俺がシアとかなり近い距離で話しているのを見てアキがブーたれる。
はぁ……こっちはシアに気を遣わないとヤバいんだぞ!!
シアが何かの拍子にちょろっと漏らしただけで俺の人生が終わるんだ!!
「探索部は四月は勉強会だな」
「ん。今日も勉強会」
「そっか。それじゃあ今日は一人でダンジョンに行ってみるよ」
「ん」
ふぅ、今日もダンジョン探索部は勉強会か。
それはちょうどいいかもしれない。
朱島ダンジョンには行けないし、シアもDランクダンジョンは乗り気じゃなかったからな。俺一人で行ってみよう。
「さて行きますか」
豊島区には二つのDランクダンジョンがある。森林型と塔型の二つ。近いのは森林型だ。それでも一時間ほどかかるので結構遠い。
どのダンジョンも入る時は洞窟であることが多いんだけど、その洞窟を抜けると別の世界が広がっていることがある。
森林型は、洞窟の中にうっそうとした森林が広がり、なぜか空や太陽も森の木々の間から見る事が出来るダンジョンらしい。俺はまだ森林ダンジョンには入った事がないのでとても楽しみだ。洞窟の中に森が広がっている光景を見てみたい。
「あ!!ダンジョンに行く前に装備買わなきゃだった!!」
Eランクまでは簡単な装備でどうにかなったけど、Dランクからはそうはいかないって聞いたからな。今までは運よく攻撃を受ける相手がいなかったけど、これからは受けることもあると思う。
俺は逸る気持ちを抑えて装備を整えるためにショッピングモールに足を向けた。
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