44.お昼ご飯、そしてメンバー追加
俺はけんかふっかけられ、プリシラとバトルした。
いやぁ……イイ魔法だったなぁ、紅蓮魔剣!
勝負を終えた俺たちは、一度教室へと戻る。
プリシラはそのまま保健室へと、なぜか向かっていた。
【解。プリシラは化け物との戦いで自信を喪失してしまった様子】
え、俺以外にプリシラって誰かと戦ってたの? 化け物って言うとドラゴンとか?
【草】
いや草って……。
【解。マスターという人理を超越した魔法の使い手と邂逅したことで、精神的なショックを受けたのだろうと推察されます】
ふむ……あとでちょっと様子を見に行くか。
【告。ハーレムメンバー作りですか?】
なんでやねん。
落ち込んでたら励ますだろ?
【解。ハーレムメンバー作りですね。良いご身分ですね。転校初日から2人もメンバーを作り】
え、なに怒ってるの?
しかも……二人? だれとだれよ。
【告。マスター、周りの色とりどりの花に夢中になって、近くに居る幸せの青い鳥を失わないように。そう……すぐ近くにいるのです、アナタにふさわしい
おお、いつの間にか叡智の神が文学をたしなむようになっている。
【告。叡智の神ですから】
とまあそんなこんなあって、昼休み。
「お昼休みだね」
クラス委員長にして、同室のシャルルークが俺に言う。
「おう。飯いこうぜ」
と、そのときだった。
「レオン殿下!」
クラスメイトのひとりが、俺に話しかけてきた。
お姉さんだ。
【ちっ……】
【否】
お姉さん……というかクラスメイト全員俺より年上なので、必然的にみんなお姉さんお兄さんとなる。
女子の割合の方が多いな。
「よろしければ、お昼ご飯、ご一緒してもよろしいでしょうかっ?」
「おお、いいよ。みんなと仲良くしたいし」
わっ……! とお姉さん達が押し寄せてくる。
「抜け駆けはずるいわ! 殿下、わたしともぜひ!」
「さっきの強さの秘訣を教えてください!」
「あたしもー!」
女子達に囲まれてしまう俺。
【ちっ……! ちっ……! ちぃっ……!】
え、叡智の神が荒ぶってらっしゃる……。
【否。荒ぶってません。私は神、精神を乱されることはありません決して】
近くに居たお姉様が、俺のことをぎゅーっと抱きしめる。
「レオン殿下~♡ 素敵でしたわ♡ 先ほどの戦いお見事でしたのっ!」
お、おおう……巨乳のお嬢様っぽいお姉さんに、抱きしめられる俺。
で、でかい……。というか、みんな発育良いな。
平和な世になって、栄養が過多になったからかな?
【マスターは巨乳好きなのかそういえばマスターの周りみんなおっぱい大きい子ばっかりくっそなんで私の胸はこんな洗濯板なんだ洗濯板を胸部にくっつけるなんて創造主も趣味が悪い】
あ、あの……叡智の神さん?
【ちくしょうこうなったら魔力で胸を大きくしてみせるかそうだよ魔力で構成された体なんだから胸の大きさだって変幻自在じゃないかいやでもそれって胸にシリコン詰めてるのと同じ扱いかあああああくそ巨乳が妬ましぃいいいいいいいいいいい】
叡智の神がアラガミとなってしまった……。
とまあ、そんなこんなあって、俺はクラスメイト達全員とお昼ご飯を食べに行くことになった。
この学校には学生食堂というものがある。
全校生徒6学年全員が利用するからか、かなり大きなとこ。
一流ホテルのレストランみたいな内装している。
そして、料理は全部ただだそうだ。
すげえな……!
「レオン殿下素敵~♡」「食べてるお姿もまた凜々しいわぁ~♡」
大きな机の周りに、クラスメイトのお姉様達が囲っている。
右隣には、シャルルーク。
そして……。
「ところでレオン君」
「ん? なんだシャルルーク?」
彼女が俺の左隣に居る【彼女】を見て、言う。
「その人、誰?」
すました顔で座っているのは、青い神の美しい女。
「どうも、妻です」
「「「えええええええええええ!?」」」
シャルルークもクラスメイト達もこれには驚愕……。
「あ、でも殿下は王族ですし、居てもおかしくありませんわね」
一番先に俺をハグしてきた、巨乳のお嬢様が納得したようにうなずく。
ちなみに毛先がドリルになってらした。
ツインドリルさんと呼ぼう。
もぐもぐ……と
やたらと肉料理が多かった。あと牛乳も。
もしかして、胸を気にしてる……?
【否。まさか。そもそも牛乳を飲んで胸が大きくなるなど迷信に過ぎませんしね】
そうですか。なら大ジョッキになみなみと注がれてる牛乳は何でですかね……。
てか、勝手に出てくるなよ。
「旦那が浮気しないよう、見張るのも妻の役目ですから」
「「「おお! 妻っぽーい!」」」
いやいや、何納得してるんだよクラスメイトさんたちよ……。
それにしても、俺のそば付きメイドのココはどこいった?
「ぼっひゃまー!」
後ろを振り返ると、大量の料理の更に囲まれたココがいた。
「ぜんぶたべほーらいれすって! うひゃー! ふとっぱら~!」
「おまえも大概フリーダムだねおい……」
叡智の神は自在に出入りするし……まあいいか。
「殿下、質問よろしいですの?」
ツインドリルさんが手を上げる。
「いいよ、なに?」
「どうしてあんなにもお強いのですの?」
「「「気になる~!」」」
クラスメイト達がずいっ、と身を乗り出す。
おおう、すごい圧だね。
俺が答えようとすると、ミネルヴァがどや顔で言う。
「彼には優秀なアシスタントがいます。その彼女のアシストがあるからこそ十全に戦えるのです。ねえ……?」
「アシスタント! そんな方がいらしてるのですね! うらやましいですわ!」
どやー! とミネルヴァが無い胸を張る。
【問。無い、とわざわざつける必要性はあったのですか? え? あったのですか?】
だってないじゃん。
【
泣き、じゃなくて!?
【すみません、マスターを亡き者にするところでした】
こえええよ!
と、そのときだった。
「おい坊主」
振り返るとそこには、赤髪の大女が立っていた。
「おお、プリシラじゃん。元気でた?」
「いーや、誰かさんのおかげで、もうメンタルべっこべこだよ」
俺とミネルヴァの間に、どかっと座る。
【問。マスター、この無駄デカ乳女を、殲滅する許可を】
駄目に決まってるでしょ……。
【私という妻がありながら、横から割って入るとはどういう了見か。この無礼者には極大魔法をお見舞いして……】
いいっていって! 落ち着けよミネルヴァ。
ほら、このミルク、飲んでみるく?
【ぶふぅーーーーーーーーーーー! げらげらげらげら!】
よしこれで少しは黙ってるだろ。
「なー坊主。アタシも……あんたみたい強くなりてぇんだ。どうすりゃいい……?」
プリシラが俺をまっすぐに見てくる。
その瞳には、切実さを感じる。
強くなりたい、強い動機みたいなもんが見えた。
「強くなりたいなら……修行だろうな」
「「「修行……」」」
プリシラだけでなく、全員が、俺の話に耳を傾けている。
「血統魔法だったあら、自分の魔法への深い理解が必要だし、あとは魔力量だな。あれを増やせば威力は上がるし」
「ま、魔力量を……あげる? そんなこと、できんのかよ?」
プリシラが半信半疑に聞いてくる。
「おう」
「まじか……」
プリシラが小さくつぶやく。
だが、どこか納得したようにうなずいた。
「アタシと同じ紅蓮魔剣を使って、あの威力の差は、あんたがその小さな体に膨大な量の魔力を秘めてるからなんだな?」
「そーゆーこと。んで、俺も最初からこんなじゃなかった。増やす訓練をしたんだよ」
「そっか……」
プリシラは俺を見て、深々と頭を下げる。
「頼む、坊主……いや、レオン殿下! アタシに、修行をつけてくれ!」
ざわ……と周囲がざわつく。
「プリシラ皇女が頭を下げてる!」「すごい……!」「さすがレオン殿下!」
ん? なんか今、聞き捨てならないようなことが聞こえたような……。
ま、いっか。
「いいぜ」
「ほんとかいっ?」
プリシラが顔を上げて、ぱぁっと表情を明るくする。
「ああ、魔法を極めようとするのなら、俺たちは同志だ」
俺は手を向けると、プリシラが笑顔でつかむ。
「よろしくな、殿下!」
「殿下はいいよ」
「じゃあレオン! よろしく!」
こうして俺に、また弟子ができたのだった。
【訂正。ハーレムメンバー。また巨乳のメンバーですか、ケッッ……!】
と胸平神が荒ぶるのだった。
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