41.美少年(少女)との寮くらし
俺は魔法学校に入学することになった。
授業は明日かららしく、俺は学生寮へと向かう。
「おー、でっけえなぁ、寮」
学校も出かかったが、こっちも普通にでけえ。
高級ホテルかってくらいだ。
中央に塔があって、左右に3学校の校舎っぽい建物が広がっている。
「中央が食堂とかの共用スペース。向かって右が男子寮、左が女子寮だよ」
シャルルークが俺に教えてくれる。
「男女で寮が完全に別れてるわけじゃあないんだな」
「うん。出会いの場でもあるからね」
まあ学校って恋人探しの場でもあるだろうからな。
ある程度の異性間交流は許してるんだろう。
「それじゃあいこうか」
「おうよ。案内よろしく」
シャルルークとともに俺たちは学生寮へと向かう。
吹き抜けのホールみたいになっていた。
「ここは共用スペース。談話スペースがあったり、食堂もここにあったりするよ」
すると近くに居たお姉さん達が……。
「「「きゃ~~~~~~~~~♡」」」
おっとまた黄色い声を上げている。
さすがシャルルーク。美少年だぜ。
「「「かわい~~~~~~~~~♡」」」
「ふぁ……!? な、なんだぁ……?」
あっという間にお姉さん達に取り囲まれてしまった。
「ねえ坊やぁ~♡ どっからきたの~♡」
「かわいいね~♡ おねえさんちゅーしていーい♡」
「やーん♡ だっこさせて~♡」
もみくちゃになる俺!
四方にはお姉さん達のおっぱいが!
これはどういうことだい、胸平らさん!
【は?】
あ、しまった……つい。
【問。別に私の胸は平らですが別にこれは魔力で作られた偽りのおっぱいであって本物の私のおっぱいはもっとバインバインですが?】
お、おお! そうだな!
本当はバインバインだよな!
で、なんでこんなお姉さん達から人気者なの?
【…………】
え、
答えてよっ。
【……復唱。
根に持ってらっしゃる……!
ま、まあわかったよ……。
み、
【是。マスターの外見がかわいらしいからでしょう。中身がサラリーマンでも外見は、見た目麗しい7歳の王子さま。かわいがりたくなるものです】
なるほど、さすが叡智の神、物知りだ。
【復唱。叡智の神はたゆんたゆん】
……叡智の神はまな板ゴリゴリ。
【あ? ぞ?】
叡智の神をからかって遊ぶのは楽しいなぁ。
もみくちゃになっていると……シャルルークが止める。
「みんな、レオン殿下が困っているよ。やめたげて」
「「「ちぇー……」」」
ぱっ、とお姉さん達が俺を離してくれる。
ふぅー……ひどい目に遭った。
【問。役得の間違えでは? デレデレと鼻の下を伸ばしてましたよ?】
え、怒ってるの?
【否。怒ってません】
あ、わかった、俺がほかの女にデレデレしたから怒ったんでしょ?
【怒】
ほら怒ったー!
「さっレオン君。部屋まで案内するよ。ついてきて」
シャルルークとともに俺は男子寮へと足を運ぶ。
「6階建てになってるんだ。それぞれ学年ごとに階が別れてるの」
「つーことは6学年ってことか」
小学校みたいだな。
いや、通う年齢から言えば中高一貫校?
「寮生って多いのか?」
「そこまでかな。国立魔法学校に入れる人数がまず少ないし。男子寮生はほら、特に少ないよ」
なるほど、女の方が魔法適正高いっていっていたし、男子寮生は少ないのだろう。
ほどなくして部屋へと到着する。
「ついたけど……えっと……そちらのお嬢さんは?」
【告。私は生物学上女ですが、お嬢さんと言われるような年齢ではありません。ただお嬢さんと言われることが嫌なのではありませんが】
「ほえ? あたしですかー?」
【…………】
え、もしかして気づいてなかったの? 叡智の神なのに?
【…………叡智の神だって、間違えることくらい、ある……】
胸が平らなだけに。
【ぶふぅーーーーーーーーーーー!】
あ、良かった元気になって。
てか自虐ネタでも笑うのね君……。
「男子寮に女の子がいるのはちょっと……」
シャルルークの言うとおりだ。
ココがいるといろいろ不都合があるしな。
「いえ! あたしはレオン様のそば付きメイド! そばについてるからこそ意味があるのです!」
「そば仕えは日中だけで朝夜は自由にしてて良いぞ」
「きゃっほー! 朝寝坊&夜更かししほうだーーーーい!」
ココがるんるんとスキップしながら男子寮を去って行く。
ちょろい……。
ちなみに校長に頼んで、ココは女子寮の開いてる部屋を使わせてもらうらしい。
「お気遣いありがとう、レオン君」
「いやなに、気にすんな」
俺たちは学生寮の部屋へと入る。
「おお、けっこー広いね」
廊下もそうだったけど、中身も普通に豪華。
高級ホテルって感じ。
「貴族の子息令嬢が通うからね、寮であってもしっかりしてるんだよ」
「ふーん……でも風呂は部屋についてないんだな」
シャルルークが困ったような顔でうなずく。
「うん、そうなんだ……中央棟の大浴場にしかなくってね」
「おまえ、それ大丈夫なのか? ばれない?」
「うん……今のところは。深夜の誰も居ない時間帯狙って入ってる」
つらそうに顔をゆがめる。
そりゃそうか、いつ男が入ってくるかわからない内状況で、ゆったりバスタイムが楽しめるわけがない。
「うん。ちょっち待ってな」
俺は適当に、壁を指でなぞる。
「あ、あの……レオン君? なにを?」
「まあまあちょっとまってろって」
5分後。
「おーいできたぞー」
俺は壁からにゅっ、と顔を出す。
「わぁっ!? れ、レオン君!? 君、壁から出てこなかった!?」
「おうよ」
壁からひょいっと体を出す。
「ど、どうなってるの……?」
「空間魔法を付与しただけだぞ?」
「く、空間魔法!? いにしえの魔法じゃないか! しかも付与魔法って!? ええ!?」
何驚いてるんだこいつ……?
【…………】
叡智の神さん? 出番ですが?
【……胸平ら神って、馬鹿にされた】
時間差で効いてるのかよ!
ごめんって……。ほら、叡智の神はバインバイン!
【…………バインバイン?】
イエス! バインバイン!
【解。付与魔法は使い手が限定されています。現在この世で仕えるのはマスターを入れて四人のみ】
あー、そういえばそうだったね。
さすができる女! 何でも知ってる賢い女!
【是。叡智の神ですからね】
目をぱちくりさせているシャルルークの手を取る。
「ほら、中に入った入った」
「わっ! 中に空間が……って、お風呂!?」
「空間魔法を使って、壁の中に専用のバスルームを作ってみた」
実家の風呂よりは手狭だけど、ちゃんと湯船もあるし、シャワーもある。
何よりこの中に入れるのは
「信じられない……個室のお風呂だ……これでもう……う……うう……」
結構ストレスだったんだな、今の生活が。
「ありがとう……レオン君!」
ぎゅっ、とシャルルークが俺を抱きしめる。
割と固い。まだ
【ふっ……
貧乳が自分より貧乳を見つけて悦んでるの図。
【あ゛?】
「と、とりあえず風呂入ったら? 俺、荷造りしてるし」
「うんっ! じゃあお言葉に甘えさえてもらうねっ!」
ウキウキしながら、シャルルークが答える。
俺は壁の中からでてきて、一息つく。
「女が男のふりするのも大変そうだなぁ」
【是】
…………。
…………。
【問。なにか?】
あ、いや……
胸とか平らだし。
【怒】
しまった怒ってる!
そうだ、思考は共有されるんだった。
【告。マスター貧乳いじりしますが、しかしシャルルークと比べたら私の方がまだ胸がありましたよ?】
そ、そうだね……おまえより貧乳だよ、シャルルークは。
「レオンくーん。ごめん、タオルとってくれなーい?」
壁の向こうからシャルルークの声がする。
「おー」
タオルタオル……っと、あったあった。
棚の中に入っていたタオルを、俺はもってシャルルークの元へ行く。
「ありがとう」
壁から手だけが生えてくる。
体を見られたくないのだろう。
「あ、あれ? タオルタオル……どこかな……」
だが予想外に俺の背が低いため、苦戦しているようだ。
俺が渡そうとした……そのときだ。
シャルルークがタオルではなく、俺の腕を握る。
「え?」
ぐいっ、と引き寄せられる。
「きゃああ!」
どしんっ……!
俺は勢い余って、シャルルークの体に覆い被さっていた。
「悪い……って、えええ!?」
シャルルークは、その……めっちゃ胸があった。
普通に巨乳だ……!
で、でもなんで……? さっきはぺたんてしてたのに……。
【…………】
え、叡智の神さん? 解説よろしく。
【解。さらしを巻いて隠していた様子】
な、なるほど……。
「あいたたた……ごめんね、だいじょうぶだった?」
ぷるんっ、と俺の目の前で、白桃が揺れる。
「お、おう……平気だよ」
俺はシャルルークのおなかから降りる。
き、気まずい……。
だが向こうも、俺が子供ってこともあって、そんなに恥ずかしがってる様子もない。
「ありがとう、タオル。もうちょっとで出るから外で待っててね」
「あ、ああ……」
俺は壁の中から出る。
しかし細身なのに意外と胸があったな。
【…………】
え、叡智の神さん?
【…………隠れ巨乳、だと……がくん】
む、胸平らさぁああああああああああああああああああああああん!
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