幼なじみ同士、どこか腐れ縁的な関係の男ふたりが、旅行先でなんだか大変なことになっちゃう物語。
約3,000文字のボーイズラブ掌編、それもわりと物理方面でがっつりボーイズがラブしているお話です。
いわゆる情緒面の好いた惚れたのお話ではないというか、とどのつまりはだいぶえっちなやつです。Yes! 素晴らしい!
いや、本当にこの性的な描写の直球さというか、「えっそんながっつりお見せしちゃうの!?」ってなるところが好き。
なんだか軽い大学生の日常みたいなノリを感じさせる、その読み口がずっと持続したまま、そこからシームレスに「そういうこと」になだれ込むこの感じ。
ある種のギャップのようでもあり、でも同時に「このふたりはこのノリのままそうなってしまえる関係」というのも著されていて、大変美味しくいただけました。
本当にただ旅行先でいたしちゃうだけのお話なのですけれど、それもまた連作シリーズのうちの一話であればこその展開。
長いスパンで続くふたりの関係性の、その途中のひとコマを見ている感覚が楽しい作品でした。