(四)-3(了)

 その直後、驚くべき光景を木葉は目にすることになった。それは妻が背中を見せた瞬間のことであった。

 妻・有紗の体が突然炸裂したのだ。そしてその血と肉塊が木葉に向かって飛んできた。それと同時に急激な熱と風圧で木葉の体はリビングから押し出された、というより吹き飛ばされた。急激な圧力でリビングのガラス窓を突き破り、ベランダの手すりを乗り越えて、木葉の体はマンションの五階から空中に飛ばされていた。

 木葉は地球の引力に引かれながら、隣のマンションの屋上に人影を見た。イヤホンマイクを身につけ、双眼鏡で自分のことを見ていた。そして手にはスイッチのようなものを手にしているのが見えた。


(了)

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今回のお礼 筑紫榛名@次回1/19文学フリマ京都9 @HarunaTsukushi

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