第45話 感動の再会

ふん、ふふーん。

らー、ららぁあ!

「お買い物っ、お買い物〜!」


はろはろっ!

明日、領地へお買い物に行きます!

え?なぜかって?


賢者学園入学の為の準備だよ!

もう入学届は出したもんね!

いや、マジでハ○ーポ○ターか⁈

梟買えちゃう⁈杖に選ばれちゃう⁈

きゃー!もー楽しみ!



「喜んでおられるルーク様も本当にお可愛いです。いや、カッコイイも混ざり、なんとも言えない…くぅっ!幸せ!」

「…ツバキ、ルーク様が引いておられますよ」




……え?

このボケ(違う)と、キレキレのツッコミは…!




「ハンナ!…とツバキ」


「えなんで俺だけ声が下がっていくのですか」

「ルーク様!」



俺はハンナに駆け寄る。

ハンナも微笑んでくれる。

そして、抱きつく。


「…はんなぁ」

「ふふ、お久しぶりです、ルーク様」


「誕生日以来だけどね。…嬉しい」

「あぁやはり、大きくなられて…」


ハンナだあ。

俺の母代わりで、姉で…。

大好きな人。


「あれ、そういえばお子さん達は?」

「あの子達は親戚に預けているのです。今日は…ルーク様にお祝いの言葉を伝えたくて」


うっ、嬉しい…!

15歳、久しぶりにハンナとハグした。


ツバキが『俺もルーク様と…』って感情と、『ハンナ…俺のお嫁さんが…』って嫉妬の混じった目でこちらを見ているきがする…。

が、自意識過剰だよね!

あのツバキだし。

なんならお前仕事してたから毎日のように顔合わせてたからな???


「それでは、改めまして」


す、とハンナが離れる。

着ていたドレスのスカートの両裾を摘み、頭を下げてこう言った。


「ルーク・スケヴニング様。この度は賢者学園へのご入学、おめでとうございます。さらなる高みへ、日々精進なさってくださいませ」


「…うん、俺、頑張る」


ツバキは幸せ者だなあ。

こんなにいい女性を、お嫁さんに見つけられて。

三人の子供にも恵まれて。


「…ツバキ、ハンナ」

「!……はい、ルーク様」


「…お前たちも、頑張れよ」


優しい、優しい俺の家族達。

俺も頑張るからさ、ハンナもツバキも、幸せでいてくれ。











________________________


ハンナとはその後、公爵にも挨拶をしていくらしかったので、別れた。

ツバキは通常業務に戻りました。


「…あー、嬉しかった」


さて、明日の用意をせねば。







「……(ニコッ)」

「…………………(ヒュッ)」


後ろを振り向けばそこにはセス。

わあ、なんて嬉しいんだー(棒)

いつもの嘘臭え笑みを浮かべていますが今どんな気持ち?(主に俺が)


「どどど、どしたのセス」

「いえ、随分と感動的な話をなさっていたので」

「あ…そう。見てたの…」


えーやだぁー!

俺がハンナに抱きつくところ見られてたのぉ?

はずかしーいー!




「誰にも言わんでくださいお願いします」

「…いや言うとかありませんけどね…」


くそっ、弱みを握られた!

ソフィアあたりに絶対イジられる!


「…どしたん、セス」

「いえ、わたしもルーク様にお祝いの言葉を、と」


ん?あれ?

でもこの前の朝ごはんの後、公爵の次にお祝いしてくれたハズ…。


「…前言ったよね?」

「二回言ってもよろしいでしょうか」

「えなに食い気味…」


するとセスは跪き、


「賢者学園へのご入学おめでとうございます、

ルーク様。これからのご活躍をお祈り申し上げます」


俺の手の甲にキスをした。


「…なにこれ?」

「敬愛の印でございます。ギルにもするよう言っていたのですが?」

「え…今の今まで一度もそんなことされていませんが?」


「…従者としての意志を示す行動なのですがね…。私はケイ様の足の甲にまでキスをして服従の意を示しているのですが」

「え、それって男女間でやるものなのでは?」










「…へーえ?、知ってましたけどねー」

「今知りましたよね?」

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