第16話 対処法
「ルーク。お前は今回の事をどう思う。」
ここは公爵の執務室。
俺は正座させられ、説教(?)を受けていた。
ちなみにケイシー先生とステラは部屋の一番奥、隅に控えている。
「ええと…。ごめんなさい。」
「謝罪も結構だが、質問に答えてもらわなくては困る。…今回の事を、どう思う。」
公爵はハンナの淹れた紅茶を飲む。
「どう、といわれても…。おれがチュウイできていなかったし、はしゃぎすぎたから…。ゆうかいされたのかな、と。」
「…それは少し違う。」
公爵は立ち上がり、俺にも立つ様言った。
「ルークも少しは注意力が足らなかったかもしれない。だが、ケイシー殿と護衛騎士…ステラはよくやっていただろう。ケイシー殿は国のトップに数えられるほどの魔法の実力者でもある。今回の騎士も、まだまだ未熟といえど、騎士団のなかでは相当のやり手であった。だから任命したのだ。」
「…いえ!公爵様!僕はっ」
「公爵様!わ、私は!」
先生とステラが声を上げる。
が、セスが手を胸の前にだし、静止させる。
「だがな、ルーク。この世には、今回の輩のように、金や命の為に、どんな事も顧みない奴がいる。そんな時、お前はどうする。「知略の公爵家」の子息として、どう対処する。」
公爵はソファに座る。
「俺も幼い頃、一度だけ拐われたことがある。だが自力で抜け出した。おぞましいと思った。自分を守る為、強くならなければならないのだと知った。」
俺は男を思い出す。仕方ないと言っていた。
「あの、おれをさらったヤツは、しかたないといっていました。でも、それでも、ダメなことです。おれは、おれをしんじてくれているひとのために、どうすればいいか、かんがえました。でも、にげきれなかった。」
髪を掴まれ、引き摺られた。
あの痛みが思い出される。
「そうか。…結論として、そういう輩には対処できなければならないのだ。頼ってはいけない。それでな、ルーク。お前も外出時は貴族なのだから、注意をはらわなくてはならない。気をつけろ。」
「…はい。」
その後、公爵はニヤリと笑い、俺にこう言った。
「気をつける為に、お前に剣術の先生をつけることにした。来週から授業だ。楽しみにしてろ。」
「えっ⁈え、けん⁉︎」
セスが顔色を変え、発言する。
「ちょ、ちょっと!ケイ様!いくらなんでも、ルーク様はまだ6歳ですよ⁈それなのに剣の稽古ですか⁈」
「王族の男児はそれくらいから始めると言うが?」
「で、でもぉ〜!」
「…楽しみですね、ルーク様。」
「わ!それじゃ、私もお手伝いいたします!」
「え!」
いつのまにか決定事項でしたが⁈
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